第56話 前略 腹の上から

 クロさん、窓際からカラスに話しかけている。

「グギャッ…グギャッ…」

 なんだか奇妙な鳴き声を発するクロさん。


 なぜかクロさんはカラスが好きだ。


 チョビさん、僕の腹上に座ってスズメを見つけて鳴きだす。

「ニャッ…ニャッ…ニャッ…」

 可愛く鳴くが、無視されているせいか、しだいに爪が身体に食い込んでくる。

「チョビさん痛い…」


 猫は鳥が好きなのだろうか?


 すねているのか…チョビさん、僕の足の裏を爪でカリカリと引っ掻く。

 クロさん通じているのか?

 なんか、必死に話しかけている。


 なんか猫というのは不思議な生き物だ。

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