第16話 手遅れ…

『桜雪…焼き鮭のようだが…』

 クロさんが、食後にリビングへやってくる。

「たしかに…」

 なぜにクロさん、食べ終わってからリビングへ来たのか?

 食事中には来なかったのに…

「とりあえず、ブラッシングしますか?」

『……桜雪、そうじゃないんだ』

 すぐにブラッシングを拒むクロさん。

「下に行けば、まだ残ってるはずですよクロさん」

『ホントか?おい?』


 珍しく小走りで階段を降りていくクロさん。

「貰えるといいんだけど」


 両親は、まだ食事前だから大丈夫だろう。


 いつもは僕が食べる前から座って待っているのに…

 なぜ今日は出遅れたのか…クロさん。

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