第13話 お風呂

 黒猫姉さんは、お風呂が好きだった。

 お風呂に着いてきて、お風呂の蓋の上で座る。

 洗面器にお湯を入れて、置いておくと、ペロペロ…ピチャピチャと飲む。

 水を飲むのが下手くそで、いつも皿の周りはビチャビチャだった。

 お風呂は、ビチャビチャにしていいからね。


 湯船に浸かれと思いだす。

 小さな黒猫が、目の前にいないと寂しい気持ちになる。


 チョビさんもクロさんも、お風呂が嫌いだから、滅多にお風呂場に入って来ない。

 お風呂場に入ってくるのは黒猫姉さんだけ…


 湯気の向こうに小さな黒猫。

 居たらいいのに…


 お風呂は、時々、寂しくなる。

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