第12話 三神会議

ビビ「まったくとんでもないことになったな。ガガ、お前の前主人が元凶だよ」

ガガ「彼女は頭がよかった。いろんなことを考えてこの結論に至ったみたいだ」

ネネ「これまでの主人で、全部集めようなんて考えたやついなかったぜ」

ビビ「逢音は、ある意味被害者といえる。さてわれわれはご主人様に従うしかないのだが」

ガガ「どうやら逢音は、まだこの能力のことを全部理解していないようだ。誤った情報与えて断念させることできないかな」

ネネ「無理だ。今逢音は五感集めが代償となっている。彼女の個人的な思いではないんだよ」

ガガ「だとしても、あと二つの五感集めがうまくいくとは限らないぜ」

ビビ「いや、逢音はもうヒントをつかんでいるよ」

ガガ「例のアンティークショップか?」

ビビ「そうだ。あの店主にアプローチするだろう」

ガガ「ビビ、お前なんか知ってるのか?」

ビビ「うんにゃ。でもわたしとネネがあの店にいたのは偶然ではないだろう」

ネネ「お前が持って行かれたときはビビった」

ビビ「気安く呼ぶな!…でも逢音は偶然に手に入れたんだよ。これは間違いない。でもネネ、前は…」

ネネ「うん、あきらかにダンは私の能力を知って買った」

ガガ「エミリーから聞いた話で出てきた日本の古物商とあの店は関係ありそうだな」

ビビ「私もそう思う。逢音も気づいているはず」

ネネ「全部そろっちゃうとまじで私たち消えちゃうの?」

ビビ「それは私にもわからん。前例がないもんな。ただ、全能神が復活することは間違いない」

ガガ「でもさ、私たちはその一部なわけでしょ」

ネネ「そうそう。全能神になったからって私たちは消えないと思うの」

ビビ「それはわかってる。ただ一緒になったら個々の個性が消えるのは間違いないよ」

ガガ「お前それが、いやなのか」

ビビ「違う。問題はそのあと…つまり全能神になって、それを操る主人、仮にそれが逢音であった場合、全能神を葬るかもしれないんだよ」

ネネ「そもそも私たちってなんでバラバラになったの?一緒だったころの記憶ないんだけど」

ガガ「それも全能神が復活すればわかるかもな」

ビビ「私は…私は逢音なら…逢音ならいいと思う…」

ガガ、ネネ「??」

ビビ「まだ付き合い浅いけどさ、彼女は決して悪人じゃないことはわかる」

ガガ「それは感じるな」

ネネ「私たちずいぶん悪人に利用されてきたもんね」

ビビ「瞳美の祖父がそうだったように、この能力は人を悪魔に変えちゃうからな…」

ガガ「すまねー」

ビビ「お前が誤る必要ねーだろ、私だっていろんな悪人を主人に持ったもんさ」

ネネ「で、どうするの?」

ビビ「逢音に全て委ねようと思う」

ガガ、ネネ「……」

ビビ「私たちがなぜばらばらになったのか…全能神がどういうものなのか….そもそも神とはなにか、人間とはなにか…その答えが見つかりそうな気がするんだ」

ネネ「お、かっこいい」

ガガ「茶化すな!ネネ! 瞳美もそれを願っていたような気がする。私は賛成だ」

ネネ「わたしもー」

ビビ「決まりだな。私たちは逢音の望みを叶えてやろう。そして彼女をこの呪縛から解き放ってやろう」

ガガ・ネネ「異議なーし」

ビビ「これにて三神会議を終了する」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る