第2話 麻酔仕掛けの海産物
今回取り上げるのは、ヘイトクライムです。ある特徴を持つ集団に対する憎悪が引き起こす犯罪。それが、ヘイトクライムです。
いえ、もっと恐ろしいのは、普段みんなで慎重に見ない振りをしている憎悪や、偏見、差別、そういったものがあぶり出される光景かもしれません。導火線のように、悪意が広がっていきます。「まさか、あの人が」と思うような人が、善意に満ちた顔で加害するのを見てしまう。それが、デマ拡散の現場です。
さて、今回の文章の上手いところは、「教育委員会」「警察署」という「正しさ」の権威付けを冒頭で行っているところ。また、どちらも簡単に「それ、ほんとですか」と聞くのが難しい、レスポンスが遅い、といったイメージがある組織であること。
加えて、「路上販売」という、比較的信用度の低い商法をターゲットにしていること。犯罪モノでお馴染みの「嗅ぐと気を失う」麻酔が登場することで、構図のイメージがしやすいこと。そして、(恐らくですが)子どもを持つ親、それも母親のネットワークを狙って流されていること。
子どもを持つ親の、子どもを守ろうとする気持ちを利用して、商売や、国家、国籍を貶める。それは、許されない行為だと私は考えます。
あなたは、「あの商売だから」「あの国だから」と思いますか?
以下、本文を引用します。一部に特定の商法および国家に対する侮辱と、残酷描写がありますので閲覧の際はご注意下さい。
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先程、教育委員会から来た情報です。
なるべく多くの方に教えてください。
警察署に通う方から来たメールです。
必ず読んで下さい‼
知らない人が路上で接近して来て、乾燥海産物をおすすめして、販売しようとしながら、一回味見をしてとか、臭いを嗅いでとか言われたら、絶対絶対しないでください。
海産物ではなく(エチルエーテル)1種類の
麻酔薬で、臭いを嗅いだら意識を失う。
中国から来た新しい犯罪である。
周囲へ広く知らせて下さい。実際、事件発生、臓器売買してるそうです。特に、友達や親戚に是非伝えて下さい。
周辺の知人達に、巻き込まれないように周りの方に伝えて下さい。
用心するに越したことはないので皆さん気をつけてください‼
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