コラム気取りの備忘録
樹
ブラック校則を愚痴る
【目次】
はじめに
身なりに関する校則
持ち物に関する校則
その他
おわりに
1.はじめに
一昔前ではあるが、Twitterで「ブラック校則」が話題になった。
私も比較的校則が厳しい学校に通っていた。今考えれば甚だおかしな校則も、過剰な罰則が設けられていたことで、それを避けるため盲目的に従っていた気がする。
「このまま一昔前のことになってスルーされたままではいてほしくない」という思いと、自分自身校則で嫌な思いをしたことがある腹いせに、ネットで見かけたブラック校則や、自分自身が経験したブラック校則をまとめてみた。
2.身なりに関する校則
◉性欲をかきたてるので、下着の色は白のみ、ポニーテールは禁止
→代表的なブラック校則。そんなことで欲情しない下半身を育成していただきたい。白の下着が清純という価値観を押し付けないでほしい。
◉風紀が乱れるので染髪禁止
→地毛の明るい人やハーフの人が黒染めを強要され裁判沙汰になることもある。生活態度や成績が良好にもかかわらず「経過観察」の烙印を押され悔しい思いをする人もいる。日本にはたまたま黒髪・黒目・黄色い肌の人が多かっただけで「明るい髪色=不良」の概念を校則自身が作り出したといっても過言ではない。
◉風紀が乱れるので眉剃り、化粧禁止
→眉の手入れや化粧をしている教師からの指導に疑問を持つのは当然のことだと思う。挙げ句の果てに、社会に出ると化粧をしていない女性に対して「だらしない」と言い出す始末である。
◉校章を忘れると家に取りに帰らせる
→制服を指定するなら、校章もあらかじめ刺繍するか縫い付けるかしたらどうなのだろうか。忘れ物をさせないために罰を設けて叱ることはしても、忘れ物をさせないように工夫することはしないのだろうか。
◉上着の着脱、腕まくり、マフラー、登下校中の帽子着用、スカートの下に体育ズボンやスパッツを履くことの禁止
→謎を極めている。寒暖に合わせて衣服を調整し、体調管理をするのはいけないことなのだろうか…
3.持ち物に関する校則
◉返さないことによるトラブル防止のため、忘れ物の貸し借り禁止
→将来人からものを借りずに生きていくことの方が難しいのだから、ものを借りたら返すことを教えるのが学校の役目であろう。
◉他の生徒にとって不平等なので、兄弟のものを利用するのは禁止
→経済的格差を懸念して制服の有用性を見出すくらいなのだから、むしろ持ち物についても卒業生はいらなくなったものを学校に寄付するなどして、極力負担を減らしていくべきではなかろうか。
◉携帯、塾の教材の持ち込み禁止
→禁止にして持ち物検査をする以外に、使用してはいけない時間には回収箱に入れさせるなどの処置が取れるのに、必要としている人を「悪」にしてしまうことに疑問がある。
◉もらえない子がかわいそうだからバレンタインチョコ禁止
→もらえなければ悲しい、そういうイベントではないだろうか。
◉気が散るからキーホルダー禁止、筆箱や文房具は無地
→そんなことで集中できないような人に何を教えても無駄だろう。
4.その他
◉寄り道禁止、休日は外出を控えるように
→むやみな外出で学校に苦情が入らないようにと説明されたことがある。頼んでもないのに私生活まで責任を取ろうとしゃしゃり出ていただき恐悦至極である。当時私は、学校というのは、親や子どもといった学校教育における当事者の意見には渋い対応をするのに、外部の言葉には些細なことにも過剰に反応すると感じていた。男女が手を繋いで歩いていてみっともないと苦情があったとき、交際を控えるようにお達しがあったのにはもう笑うしかなかった事件である。
◉生理中のプール強要
→そもそも水泳が必須なのはなぜなのだろう。たとえ泳ぎが得意でも、川に流されれば亡くなるものだ。中学生にもなれば、水泳の授業の後は「誰のドコが大きかった」とか、そんな話題で持ちきりだった。身体的特徴をからかわれて嫌な思いをする子が少なくない水泳を必須にしなくても、体育の目的は達成できると思う。むしろこんなときこそ、学校お得意の「トラブル防止のために何かと禁止する精神」を発揮してほしいものだ。
◉給食時の牛乳の強要
→アレルギーや苦手な子が多い飲料を毎日の飲み物に設定するのがそもそもどうなのだろうか。ごく普通に考えて、ご飯と一緒に飲むものは水かお茶であろう。学校という大規模な消費者を失うと、牛乳会社が立ち行かなくなってしまうのだろうか。
5.おわりに
チクチクとした語り口になってしまったが、先進国と名乗りながら日本の学校教育における人権意識は遅れている。子どもの人生をより豊かにするための学校教育が、権利に対する感覚が麻痺した貧しい心を育むことのないように願う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます