あの〜すいませんがもう寝かせてください!?
黒焦げししゃも
第1話 死んだんですけど…
・・・眠い。只々眠い。・・・ああダメだ。今起きないと学校に遅刻しちまう。流石に十五日連続遅刻はまずいだろ・・・起きますか・・・
「ふぇ?」
おっといくら寝起きで呂律が回らないにしても今の情けない声はちょっとどうかと思う・・・・・・だが、いくらなんでも目を開けたら何もない真っ黒な空間に俺だけぽつんといるのは流石に・・・・確か昨日俺は、バイトから帰ってきていつも通りベッドにダイブしたんだったよな・・・そして今はこの状況と・・・・・
うん、さっぱり分からん。夢か?にしては頬をつねってもただ痛いだけなんだけど・・・
「寝るか」
そうして俺が現実逃避をしようとした時、突然
「えーこの状況で寝ちゃうんだー」
「あんた、誰だ?」
声のする方に視線を持ってくとそこには金髪を肩まで伸ばしたイケメンがいた。
なんというか歌舞伎町にいそうなホストだな。歳は三十代手前だろうか。
「ぼくはこの世界の神でーす♪」
「ああ紙か」
「そうそう、ペラッペラしてるでしょう?って違う!!」
「じゃあ髪?」
「そうそうツヤッツヤのサラッサラでしょ?いいシャンプーやコンディショナーを・・・って違う!!!!」
「あんたノリいいんだな。」
まじでホストに見えてきたんだが・・・・
「はぁ・・もう一度自己紹介をしよう。ぼくの名はクロムだ。君のいた世界の管理者…つまりは神だ。ちなみに今ぼくたちがいるところは言ってみれば次元の狭間かな♪」
自称神がドヤ顔しながら言ってきた。はっきり言ってうざい。…しかも名前、メッキかよ。というかこいつなんつった?
「ん?俺がい・た・世界?それに次元の狭間?」
「そ。実は昨日君は寝ている間に死んだんだよ♪」
「は?」
「いわゆる心筋梗塞ってやつだよ♪」
「まじか……‥」
「良っかたね♪」
「良くねーよ!!」
はぁ…メッキの言うことが本当か嘘かは置いといて、今一番重要なのは……
「俺はこのあとどうなるんだ?」
「うーん?まぁ君が望むなら地球に返してもいいかなー?」
「え?帰れんの?」
「君に未練があればだけどね♪」
「未練か……」
俺には未練を持つような家族も友達もいないし、趣味や好きな事も一様あるが、この身一つあればできるし…はっきり言って
「ないな。」
「そうかい。なら残るのはあ・れ・だけだね♪」
「あ・れ・?」
「そう!最近の若者がこればっかりお願いしてくるからさ〜♪」
「ソレは一体何なんだ?」
「ずばり…………異世界転生だよ♪」
「い、異世界転生だと!?………何それ?」
「え?」
「え?」
メッキがとぼけた声で返してくるから俺も思はず間抜けな声で返してしまった
「え?まさか、異世界転生知らないの?」
「知らん」
何を言ってるんだ、このメッキホストは?
「あー、一から説明するとね、転生ってのはわかるでしょ?」
「ああ」
「それを前世の記憶を持ったまま異世界でしてみよう!ってのが異世界転生さ♪」
「なるほど」
その時点で、俺は同世代の子供より頭何個分かは抜き出ているとも言えるな……はっきり言って目立ちたくはないし…‥‥‥‥‥‥
「じゃあ一つ聞きたいんだが、俺は転生したら何・を・す・れ・ば・い・い・?」
「うーん?何でもすればいいと思うよ〜」
「ん?今更聞くが俺に何か用があって呼び寄せたんじゃ無いのか?」
「いや、別に〜」
「ただぼくは異世界に送ったらおもしろそ〜になる子を捕まえてるだけだから♪」
「それはなんの為にだ?」
「暇つぶし♪」
……‥‥…まじか
「わっかた。じゃあ俺も異世界転生するよ」
「OK〜♪、じゃあ転生特典はどうするかな~?」
「転生特典?」
唯でさえ前世の記憶を持って行けるのに更に特典だと!?
「そ、それは何が付けられるんだ?」
「ん〜?なんでも〜」
まじか‥‥…‥‥悩むな…‥
「好きな事とかでもいいよ〜。あとは趣味とか〜なんかないの?」
へぇこの俺に好きな事をきくとは…俺が好きで好きでたまらなく、ずっとそうしていたいと思うものはズバリ
「寝ることだ!!!!!!!」
「え?寝ること?」
「そう寝ることだ!!!!!!!!!!!理由は複数あるが、まず第一に、人間が生きていく中で絶対に必要な行為であって‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(略)」
〜2時間後〜
「と、このように俺が寝ることが好きな理由だが‥‥‥‥要点だけ抜粋したが伝わったか?」
「う、うん。つ、伝わったよ〜。、だ、大丈夫だよ〜」
そういうメッキホストだがなぜか説明の途中からずっと床に倒れていた‥‥‥‥‥‥‥何故だろう?
「じゃあ睡眠関係のスキルを付けとくね〜♪」
「ああ、頼む。」
そう言ってメッキは手元で何やらピコピコやり始めた。
ん?そういえば、転生特典って一つだけじゃダメって言ってなかったよな…‥
「なぁメッキ」
「ん!?それはぼくの名前かな!?」
「転生場所も指定できるのか?」
「え、 無視ですか!?え〜あれ〜おかし〜な〜ぼく神なんだけどな〜おかし〜な~」
「いいから質問に答えろ」
「え、そこまで言っちゃう!?いくらぼくがめっちゃ慈悲深いっていって…‥‥‥
「また寝ることの良さを熱弁するぞ。今度はフルverで」
「できます」
「その中で寝る又は寝続けられるのに最適な場所へ送ってくれ」
「…‥…わかったよ」
しばらくしてメッキがピコピコし終わったらしく俺の体が透けてきた。それと同時に急な脱力感が俺を襲った
「じゃあ最後なんだけど…‥‥‥」
「ん?どう…し…た?」
俺はめちゃめちゃ眠くなるのを我慢して聞いた
「君の来世に期待してるよ!!!」
と言って笑った…‥笑ったが意味深な笑い方だった。俺にはそれがどういう笑みなのかわからなかった
その理由を俺はこのあと知ることになる…‥
「どう…い…う…‥
そこで俺の意識は途絶えた…‥‥
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