本作品のカクヨムジャンルは「詩・童話・その他」ですが、間違いなくファンタジーです。
ファンタジーでは、幻想の世界、この世に存在しない世界、をいかに存在させるかが最大の魅力であり難しさですが、本作品では、『首縫い』という葬儀の儀式を、まさに現実のどこかの国、どこかの地方に、「本当に存在するかのように」描き出しています。
私は、本作品の『首縫い』の儀式で使われる名前や文言を、思わずググってしましました。当然のことながら、検索結果はなし。
『首縫い』という架空の儀式を作り出し、その儀式にまつわるドラマを描き出す。
短編ながら、この作品の中には、本当に存在しているかのような、幻想の世界がありました。