第7話 冒険者登録をしました。ついでに魔力検査も

「ゴールドやプラチナはどうなの? やっぱりレア度高いの?」

「そりゃそうよ。ゴールドからは国から直接付与されるんだから。あからさまな実績を立ててある程度有名にならないとね。大森林にオークロードやリザードチャンピョンとかいるけど、そいつらを倒すくらいのことはしないとね。

 五十人くらいしかいないって話よ。ゴールドはある意味下手な貴族よりも偉いわね。この国じゃ。

 プラチナはドルクマン国王本人だけね。今はもう亡くなっているから実質空席。ちなみにドルクマン国王はオークロードから数十年連合王国を守ったとか二世代オークロードを倒したとか言われているわ。」


「へえ。結構ちゃんとした組織で動いているんだね。」

「当たり前よ。冒険者をなんだと思っているのよ!」

「あと、レイムがシルバーとか、これも意外! 実は簡単なんじゃないの?」

「むきーー! また私のことバカにして!

 確かに凶悪なモンスターを倒すとかはできないけど、クエストをこなすのは得意だったんだからね!」


 そして比呂貴は出来上がった書類を二番の窓口に持っていく。

「確かに書類は受け付けました。ではこの番号札を持ってお待ちください。

 打刻(だこく)にはかなり時間が掛かりますのでご了承ください。」

「え? だいたいどれくらいかかりますか?」

「はっきりとはわかりませんが、最低でも二時間は掛かりますね。場合によっては三時間以上も。窓口は夕方までやっていますのでその時に取りに来ても大丈夫ですよ。」

「なっ、マジっすか? わ、わかりました。よろしくお願いします。」

 そう言って比呂貴はいったん窓口を後にした。


「ねえ、レイムあっちでなんかやってるけどあれなに?」

「えっと、魔力検査だって。自分の能力を知ってクエストに役立てようだって。

 最近はこんなサービスもやってるのね。せっかくだし私たちもやっていきましょうよ。」

「おう。そうだな。自分を知るのは相手を知る以上に重要だしな。」


「じゃあまずは私からね。」

 そう言ってレイムは計測器らしき水晶玉に手を触れる。十秒くらいして結果が出たようだ。それを係りの人が読み上げる。

「レイムさん。内の属性は地と空。外の属性は闇です。魔力数値は百五十です。」

「おっ、私って空の属性もあったのね? し、知らなかったわ。」

「おいおい、自分の身体だろ。こういうのはちゃんと調べとかないと。じゃあ、次はオレだな。」


 そして比呂貴もレイムと同様に水晶に手を当てて十数秒待つ。

「あわわ。すいませんが、人族の方でよろしかったですよね?」

「ええ。そうです。なんか変な結果出ましたか?」

「はっ、はい。特異体質です。内の属性は地。外の属性は天と地の両方です。魔力数値は八十です。」

「おおおぉ!」

 周りにいた人が急に集まってきた。一気に注目の的となってしまう。


「え? なになに? どうしたの?」

 比呂貴は急の出来事で挙動がおかしくなっていた。

「やっぱりロキはなんか違うかなあと思ってたけど、そうか。特異体質か。なんか納得ね!」

「そういやアイリスもそうみたいだけど、特異体質ってなに? 今更だけど。」

 ロキの質問に係りの人が答えてくれた。

「特異体質とは、外の属性を両方持っている方を言います。内の属性をすべて持っている人はたまにいますが、外の属性の二つは言ってしまえば天使と悪魔を表してますので両方を持つことは無いのです。

 ごくごく稀に両方持っている人が特異体質の方です。かのドルクマン国王も特異体質だったと記録にあります。」


「なっ、なんと!? ちなみに特異体質ってどれくらいの割合でいるんですか?」

「この検査場では初めて見ました。世界に確認されている方は七名です。あなたで八人目ですね。」

「まっ、マジですか? ちなみに特異体質の人はなんか特別な耐性があったりします?」

「一般的に特異体質の方は魔法耐性にとても優れていると言われています。外部からの魔法にかかりにくいらしいです。

 しかしながら、特異体質の方は数も少ないこともあり、詳しいことはあまりわかっておりません。」


「そっ、そうですか。あと、もう一個聞いていいですか?」

「なんでしょうか?」

「魔力数値はどうなんですか? 自分の数値は高いですか? 低いですか?」

「あ、それでしたら詳細はあちらの壁に貼られていますのでご参考下さい。ちなみに人族はだいたい五十くらいですので、あなたはかなり高いと思います。」

「なっ、なるほど。ありがとうございます。」


「で、張り紙のところに来たけど、すんませんレイムさん。なんて書いてあるんですか?」

「種族ごとの数値の目安が書かれているわね。人族は五十だって。あと、ドルクマン国王は百って書いてある。ふーん。やっぱりドルクマン国王は凄かったのね。」

「レイムさん! ちなみにレイムが百五十って、滅茶苦茶高いじゃん! ちょっと悔しいんだけど。」


「なっ!?

 ロキさんロキさん。私、これでも一応魔族ですからね。その中では低いほうよ!

 魔族でも同じ低級のレッサーデーモンですら二百ってなっているわ。ほんとに失礼しちゃうんだから!」

「そっ、そうっすか。これ、今度ファテマとアイリスにもやって貰いたいね。聞くところによるとアイリスも特異体質で属性をすべて持ってるって話だから。」


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