第2話 ケモミミのモッフモフの美少女ファテマ。でも中の人はロリババア

「イテテテ。」


 イテテって思わず声が出ちゃったよ。誰もいないのに恥ずかしい。ってか今のはなんだったんだ? 雷雲が近づいてくるような感じだったけど………。

 そしてぶつかった木と同じ木の上のほうで何やらガサコサ聞こえてきた。その後なにやらそこそこ大きな物体が落ちてきた。

 ウワッ! なんか落ちてくる。そして場所とタイミング的にバッチリなところにいたおかげでちょうどキャッチしてしまった。


 なんだこれ? おお。軽いな。ん? 人か?


 そしてしっかりと確認すると女の子のようである。しかし、人は人で女の子だがどうやらただの人では無さそうだ。


 なんとケモミミ!


 そしておでこにちょこんと角らしきもの。さらにフワッフワの




 尻尾!!!




 うおおおぉ! なんか異世界っぽいぞ! ケモミミのフワッフワ尻尾少女キタァァァ! めっちゃ可愛い! モフモフしたい!

 そう言って尻尾をモフモフしている。


 うううおおぉぉ。こっ、これは至福!!!


 そして少女は起きた。変なおっさんにモフモフされている状況を目の当たりにした。

「ちょっ。お主、離さんか!」

 少女はそう言って男を振り払って自分の足で立つ。

「うわぁ。めっちゃ可愛い声! なのにババア言葉。必殺のロリババア設定かよ!」

「なんじゃ、そのロリババアとかいうのは? っていうか、我の身体を好き放題まさぐりよってからに。

 変態か? 変態じゃろ? 変態じゃあ!!」


 立ち上がった少女の身長は男の半分くらい。小学生低学年ぐらいだろうか。頭にはケモミミとおでこには一本の可愛らしい角がある。そしてお尻にはフワフワでボリュームのある尻尾が生えていた。亜人というよりは人間に変身しているという感じであった。


「えっと、それはまあ、ゴメン!

 いやまあ、マジもんで可愛かったから。オレ可愛いの大好きだからさ!」

 男はニヤニヤとしている。若干、いや、事件級で気持ち悪い笑顔だった。

「か、可愛いじゃと!?

 まっ、まあ、儂が可愛いのは当たり前じゃがな!」

 可愛いと言われたのが若干動揺しているが、まんざらでもない感じで答える。さらに少女は質問を投げかける。


「ところで、お前はなんじゃ? どうしてこんなところに一人でおるのじゃ? 見たところ人族みたいじゃが。」

「ああ、怪しいもんじゃないからオレ。って、怪しいやつはみんな怪しくないっていうもんだけどね。えっと、名前は比呂貴(ひろき)樹神(こだま)比呂貴だ。

 なんというか、説明が難しいんだけど、ちょっと、いや、次元的に遠いところから来てこの世界では、うーん、ぶっちゃけ迷子ってやつだ。」

「ふーん。そのイントネーションの名前はもしかしたら召喚者か転生者か? 昔に読んだ物語でそんな名前の奴がおったが、まさか実物に出会えるとはな。

 って、本当かどうか怪しいものんじゃが。なんせ我の身体をまさぐる変態じゃし。でもまあなんじゃ。これも縁じゃ。我も名乗っておこうかの。

 儂の名はファテマ。偉大なるユニコーン族であるぞ!」


「ユニコーン? ってことは一角獣ってことだね。ああ、だから角があってモフモフの尻尾なんだ!

 でも、その尻尾ってどっちかっていうと狐に近いような気がするね。めっちゃボリューミーでモッフモフじゃん!」

「なんじゃと!? 儂をあのような獣と一緒にするではない!

 ぷんすかじゃ!!」

「ぷんすかって、今、自分でぷんすかって言いましたよ。このお嬢さん! なんて可愛いんだよ!

 あとファテマって言ったら確かドイツ系の名前だったような。意味はなんだっけな? 日英中と三カ国はいけるけど、ヨーロッパ系の言葉は勉強してこなかったんだよなぁ。

 さらに、こんなロリババア設定なのにファテマとか、昔の日本人の名前とかじゃないのかよ! 凄いギャップだよ!!

 こっ、これが、異世界クオリティなのか! まあ、クオリティ自体高いのか低いのかは不明だが。」


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