漫才の脚本的な奴
水金
第1話 ボケっぽいテンションで普通のことを言うヤツ
「いやー今日も暑いですね」
「暑いっすねー」
「5月でこんだけ暑かったら7月8月はどんだけ暑くなるんだっていうね」
「ホントですよ」
「でも8月にも同じようなこと言ってんでしょうね」
「と言いますと」
「8月でこんだけ暑かったら9月10月どんだけ残暑厳しくなるんだって」
「さっきから普通のことを言ってんな!」
「え?」
「違うじゃん。普通「8月でこんだけ暑かったら9月10月どんだけ暑くなるんだよ」「いやそんなわけ無いだろ」ドカン!じゃん。何普通に残暑の話しちゃってんだよ」
「えー?どうしたのそんな怒って」
「ボケろよ!次からちゃんとボケろよ」
「ボケろよの意味が分かんないじゃん。実は最近姪っ子が産まれましてね。ボクは子供いないんですけど可愛くて可愛くて」
「あーいいですね」
「たぶん目に入れても痛くないんじゃないっすかねー」
「普通のことを言ってんな!普通の、ことわざを!」
「あんだけカワイイとさ、やっぱり発表会かなんかはシンデレラみたいな主役をやらせてあげたいですよね。あっでもどの親御さんも同じくらい娘さん可愛いと思っているからシンデレラばっかりになっちゃったりね!」
「あるから。それもうそういうのテレビで話題になってるやつだから」
「シンデレラ10人とかになっちゃったりね!ってね!」
「ボケのテンションで言ってるけど、普通なんだよさっきから言ってることが」
「ぼくも娘が産まれたら個性的なカワイイ名前を付けたいのでココアとか名前つけたいです!(早口)」
「典型的なキラキラネーム!典型的過ぎて何ならちょっと時代遅れ感のあるヤツ!」
「娘をかけっこで最下位にさせたくないから手を繋いでゴールしてほしい!(早口)」
「それもテレビで見たヤツ!」
「学校なんか無理に通わなくてもいいからユーチューバーとかで輝いて欲しい!(早口)」
「それは最近のニュース!最近の、不登校の中学生がユーチューバーデビューしたヤツ!」
「将来は機械と一体化して人の心と機械の冷徹さを兼ね揃えて欲しい!」
「それはナニ?」
「培養カプセルの中でスクスクと元気に成長してほしい!」
「それもナニ?
ボケるなよ急に!わけ分かんなくなるから!」
「ボケるなもおかしいじゃん」
「なんだこのずっと普通のこと言い続けて最後ちょっとボケる漫才!いい加減にしろよ!」
「じゃあいい加減にするわ。ありがとうございました」
「あーあ!普通のこと言ってる!どうもありがとうございました」
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