第8話

 なんでもない風景に溶け込んでいる彼らに目を向ける。本当にすごいやつらだ。背が高いし、長生きだし、かっこいいし、とにかくいろんな表情がある。



「きみは変な形だな」



 ねじ曲がったような、若いころにわざと太陽から逃げたような形をしている。そのあとで太陽を求めて高く伸びようとしたらしい、そのせいで風が吹けば倒れてしまいそうだ。



 若気の至りだろうか。もしかしたら木にも反抗期があるのかもしれない。



 ねじ曲がったことを後悔しているのだろうか、それとも自分の生きてきた道だと誇っているだろうか。










「話が出来れば聞いてみたいんだけど」



 木は大きい。素直な奴もいれば捻くれるやつもいる。



 私はどうだろうか。

 

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一般的徒然 タロウ @nanimonaitarou

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