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 小さな お寺だなぁ。

 それが 光縁寺の 第一印象だった。



 小さなお寺の 小さな引き戸。

 そのかたわらに何かに遠慮したように建つ

『新選組墓所』

 の石碑。


 引き戸から 中に入ると 住職らしい 男性が 庭をほうきで丁寧に掃いておられた。

 

 僕の姿を見て

「新選組さんへの お参りですな。よう お参り。ささ こちらへ」

 と 玄関へ招き入れていただいた。



「うちは 檀家さん以外でおこしの方は みーんな 新選組さんへの お参りの方でしてな。

 おそれいりますが隊士さんへ ご供養として100円頂戴させてもろてます。あ これは お寺の案内です。」

 と パンフレットを 渡してくれた。


 そして

「初めてお参りの方は 私が ご案内させてもろてます」

 と 本堂の裏にある 墓地に案内された。


 どの墓石も古く 歴史を感じられた。



 その墓地の最も奥まったところに 新選組隊士の墓は あった。


 墓石は三基。

 隊士の共同墓が 一基。

 総長だった 山南敬助の墓と、入隊前に亡くなった人の墓が それぞれ一基。


 なぜか その墓石を見つめていると 涙が 溢れ出してきた。



「どなたはんも ここに初めてお参りの方は 泣きはりますな。

 まあ 心ゆくまで お参りなされ。お参りがすんだら 本堂へ どうぞ。隊士さんの ご位牌も お祀りさせてもろてますさかい」

 と 気遣うように 去っていかれた。




 ああ 彼らは本当に 生きていたんだな。そして その あかしが この三基の墓なんだ。

 そう思うと 本当に涙が 溢れ出して 仕方がなかった。




 

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