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「お帰り。お姉さんどうだった?」


 家に帰ると いきなり母が聞いてきた。



「とっても優しい人だったよ。あのぅ、相談があるんだけど」


 栄子お姉さんを 駅で見送ってから 家に着くまで京都に行きたいとの思いが高まるばかりだった。

 その思いを母に伝えるべきか迷ったがどうして我慢ができなくて話してしまった。


「僕 京都に行きたい。出来たら一人で」


「えっ 京都って。あなたまだ小学生でしょ。一人の旅行にしては すぎるわよ」



 しかしなぜか 近くで二人の話を聞いていた父が 援護してくれた。



「きちんと計画を立てればいいじゃないか。きっと お姉さんの話を聞いて 何か思うことが あったんだろう。

 来年の正月のお年玉で行きなさい。」


 かくして僕の新たな出会いが始まるのでした。



 

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