第10話 僕等は言葉で出来ている
言葉じゃ伝わることなんてたかが知れてる。
言葉じゃ届く範囲なんてたかが知れてる。
言葉で誰かを救えるなんて、人間の傲慢だ。
ちゃちなプライドが高いだけの空虚な人形が、言葉で何かを変えられるはずがない。
言葉について文句がある人間を憎むのなら、言葉を作った人間が元凶だ。
言葉があるから、誰かが傷つく。
言葉があるから、誰かが悲しむ。
希望だとか夢だとか絆だとか、偶像にしか過ぎないものに名を付けて、言葉を使うのなんざ、うんざりだ。
結局のところ、僕等は言葉で出来てしまっている。
誰もが言葉に依存してしまっている。
言葉という言葉がこの世から無くなれば、世界は平和になるんだろうか。
否、その世界には言葉がないんだから、
平和なんて言葉もそもそも無いんだろう。
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