第9話 地獄行き各駅停車

寝ぼけ眼をこすりながら街を歩く憂鬱共が、満員電車に乗り込んだ。

電車内には、どす黒い塊が集っている。

下を向きながら溜め息を吐いた誰かは、駅に着く度、電車に吐き出されてゆく。

ついでに、足を踏まれた誰かの舌打ちは、この満員電車の格好の餌食だ。



この満員電車は何処へ向かうのか。

地獄か、天国か。


この満員電車の行く先は、誰も知らない。

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