二つの世界の融合で、俺は彼女に出会う?

本田 そう

プロローグ。彼女は‥‥‥

青く澄み渡った昼下がりの夏の空の下、俺は青い軽自動車を運転していた。

左手には砂浜が前方の方、遥か向こうまで続いている。

その砂浜に海の波が、見ていて気持ちが良いほど押し寄せては引いていく。

俺は砂浜沿いの道路を軽自動車を走らせる。

しばらくすると、目的地の浜辺の近くの駐車場が見えた。

平日なのか、車は数台程しか止まってない。

俺は浜辺が見える所に車を前から止めて、窓を開けると、潮騒の匂いと波の音が聞こえる。

ここの海は遠浅になっている為、波は高い。



「ザザザアアア!ザブーン!」



波が引く時も勢いがある。



「ザザザアアアーサアー」



この光景が何回も繰り返される。

今日は気持ちが良いほどの天気で波もそこまで高くない。

肌にも気持ちが良い程の海風が吹いてくる。



「‥‥‥う〜ん‥‥‥着いた?」


「ああ、着いたよ」



助手席で気持ちよさそうに寝ていた彼女が起きる。

俺が目的地に着いた事を教えると、彼女は倒したシートを起こすと、車の窓を開ける。



「気持ち良い。‥ここにくるのも久しぶりね」


「先月も来ているだろ」


「みんなとは、て事よ」


「‥‥‥そうだな。みんなとは‥な」



彼女は外の海を見ると何か懐かしい様な顔をした。彼女の髪が優し海風が吹くとサラサラと髪がなびく。

そんな彼女を見ていると、俺はまた彼女に恋に落ちてしまう気持ちになる。



「どうしたの?」


「うん?‥なんでも」


「‥?」



彼女は少し首をかしげる。

彼女の髪を海風がまた優しくなびかせる。

彼女はなんて言うのだろう?

今の君の姿に恋をしたと言ったら‥‥‥。

俺は彼女の右手を優しく握ると彼女も優しく握り返してくる。



「君でよかった」


「?‥‥‥何が?」


「俺の隣に居る彼女が君で」




俺が言うと彼女は恥ずかしそうに海の方を見る。しかし手は握ったまま離さなかった。

俺と彼女がこうして居られるのも、あの彼女、いやみんなのお陰だ。


そして、俺にとってあれが始まりだった‥‥‥




合わせ鏡が‥‥‥。










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