きらきら星

夜空のかけら

見えるよ星が

 私の持病は、貧血である。

 別に自慢している訳ではない。

 正確には、鉄欠乏性貧血というもので、簡単に言えば血中に鉄分が足りないということ

 詳しく言えば…細胞に酸素を届ける役割を持つ赤血球が、鉄不足のために赤血球を作れないことで起こる細胞の酸欠になるということだな。

 細胞の酸欠は、全ての細胞に起きるから、全身症状として出る。

 疲れやすいとか肩こりとか頭痛とか。


 それでだ。

 その貧血が起きるなぁ~と感じると、目の前に星が現れる。


 視界の全部に*の様な模様で光っているものがぱぁーと広がっていくのだ。

 最初は数が少ないけれど、少しずつ時間が経つと視界全部に広がっていき…

 気がつくと気絶しているらしい。


 全部に広がった星を見るのは好きだけど、実際の星を視界全体で見たことがない。


 私だけのきらきら星と何が違うのだろう。

 だれか、みんなが見ている星を私にも見せてくれないかな。

 

 …そんな話を親に言ったら、精密検査になった。

 結構、危険な兆候だったらしいのは、別の話。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

きらきら星 夜空のかけら @s-kakera

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ