第35話 最後の旅路

1月16日 土曜日


はじめと中間はいくらか雨を伴った変化する風。終わりは東風で、晴天が伴った。北に間切る。夜明けに湾が見えてきたので、おのおのの船からボートを出させて、ブライ氏に調査をおこなわせた。このとき3リーグ沖にいた。このころカヌーがいたるところから発進しはじめ、10時前に、2隻の船の周りには、千をくだらない数が集まった。そしてその大部分は人や、豚その他の島の産物を満載していた。どんな種類のものでもおよそ武器というものを携帯している者はいなかった。交易と好奇心が、彼らをそこに来させたのである。


船はインディアンたちでひじょうに混雑し、カヌーの大群に取り囲まれた。私はこの海域のどこでも、こんなにたくさんの人が一ヶ所に集まったのを見たことがない。カヌーに乗った者達だけでなく、何百人もが、魚群のように船の周りを泳いでいた。


パレアという名の家令が、ときどき権威をふるって皆を船から追い出してくれなかったら、彼らに秩序を守らせることは困難だったろう。


数多い訪問者の中に、トウ=アー=アーという者がいたが、すぐに彼が教会に属する人物であることがわかった。彼は、たいへん儀式めかして自己紹介をした。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054889551502/episodes/16816700426197679504



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