エリート学園に入学させられしただの凡人の成り上がり~天才美少女たちと解決する難攻不落の学園黙示録~
詩葉 豊庸@『俺冴え』コミカライズ連載中
プロローグ
全ての始まりはあの出来事からだった。
あの出来事がなかったら今頃俺はごく普通の学園生活を送っていたであろう。
今でも鮮明に覚えている。
俺の人生の歯車が狂いかけた瞬間を……。
♦
時は遡ること高校入学前。
俺は高校受験を控えていた。家の近くにある公立高校を受験することを決めており、受験勉強に励んでいた。
結果は見事合格。俺は入学願書を提出し、入学への準備をしていた。
「いよいよ俺も高校生か……」
新しい生活に期待に胸を膨らませながらその時を待った。
しかし、事件は入学式の三日前に起こった。
朝、自分の家の郵便ポストを開くと1通の手紙が入っていた。
だがそこに書かれていたものは俺が想像もしないことだった。
《おめでとう。君は由緒ある
「……は……?」
月花学園と言えば全国でも名の知れた名門校だが、その素性は謎が多く噂によると将来の日本を支えるための人材育成を目的としており、いわゆる超高校生級と呼ばれるような人たちしか入学が許されないと言われている。
しかもどこにあるのかさえ分からないほど謎に包まれた学校だ。
どこにあるのかすら分からない学校がなぜ有名なのかよくわからない点が多い。ただ名前だけ聞いたことがあるというだけの人が多いのだろう。
さて、学校の説明はこれくらいにして……。
(いやいやおかしいだろ!)
俺は今起こっている現状に理解が追いつかなかった。
「あの有名な月花学園に俺が入学? 全てにおいてぱっとしない俺が?」
すぐに中学の進路指導の先生に不備があるということを伝えると、どうやら入学願書を提出した教師が間違えて月花学園に願書を送ってしまったとのことだった。
ちなみに俺が志望していた高校の学校名は『
(おいおい確かに似ているが普通間違えるか?)
俺はすぐに取り消すよう進路指導の教師に言うと、無理だと言われた。
どうやら向こうの学校が取り消しを許してないらしい。
「すまない金山。月花学園に入学してくれ」
進路指導の教師が申し訳なさそうに言う。
「わかりました……」
唐突すぎて悲しいという感情より驚きの方が大きかった。
しかし、それと同時にどこか心の片隅で月花学園という『選ばれしもの』しか入学できない所に自分が入学することに期待感を持っていた。
そう――これがこの俺、
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