第6話 読書
昔から、本を読むことが好きだ。
カクヨムを利用している方の中にはそういう人が多いんじゃないだろうかと思う。
小さいときはよく絵本を読んでいた。自分で読めないほど小さかったときは読み聞かせをしてもらっていた。
もう少し大きくなると、図書館に連れて行ってもらって、いつも上限いっぱいまで本を借りて帰った。図書館をくまなく歩きまわって、背表紙のタイトルや本の装丁が気に入ったものを手に取り、中身をちょっとだけ見て借りる本を決めていた。図書館の中を歩き回って本をハンティングするのがとても楽しかった。家に帰るとソファーに一人で座って図書館で借りてきた本を一生懸命に読んでいた。本を読んでいる時は、いつも本の世界に入り込んでいた。
小学校低学年の時はかいけつゾロリが好きだった。話の中に登場する工場や、遊園地、商品などの設定が凝っているのが面白くて、設定が書いてあるページをじっくり読んでいた。図書館で借りたゾロリの本を家まで持って帰るのが待ちきれなくて、帰り道の途中で田んぼの側溝のふちに腰かけて読んだことがある。読み終わって満足した私は、何を思ったかその本をそこに置いて帰ってしまった。小学一年生のことだったと思う。もういちど本を読んでいた場所に本を探しに行ったが、本は跡形もなかった。 親にこっぴどく怒られた後、弁償のために買ってもらった本を持って図書館に謝りに行くと、誰かが図書館にその本を返してくれていた。通学路だったので、気づいた親切な生徒が持って帰ってくれたのだろう。しかたなく家に持って帰った弁償用の本は、今も家の本棚にあるような気がする。
そのあとホラーにはまって、怪談レストランシリーズなんかをよく読んでいた。当時は学校の図書館でも、公共の図書館でもそのシリーズは大人気で、いつも読みたい本は誰かが借りていた。
小学校後半の頃はシャーロックホームズが大好きだった。地元の図書館で怪盗ルパンシリーズを借りて全部読んだし、学校の図書館に置いてあった江戸川乱歩の少年探偵団や怪人二十面相が出てくる小説を読み漁った。今思えばミステリーばっかり読んでいたように思う。読んだ感想を誰かと共有するでもなく、ただただ読んでいた。読む割には、読書感想文は大の苦手だった。私の感想文はいつもあらすじの説明になってしまった。
中高生になると、本を読む機会は急に減ってしまった。代わりに、漫画を読む機会が増えた。
特に高校生の時なんかは、勉強と部活でいっぱいいっぱいで、活字を追う気力がなかったように思う。
高3のときに、勉強の助けになるかと思ってほんの2,3冊ブルーバックスなんかを読んだような気がする。結局ものすごく役に立つことはなかったが、今までとは違うジャンルの本を読むいい機会になったと思う。
ただ、人生で初めて本を読むのがしんどい、疲れると感じる時期でもあった。
そして、大学生になってからまた少しずつ本を読むようになった。
高校生の時と同じように勉強は忙しいが、それでもまた昔のように面白い本を一気読みしてしまうこともたまにある。もうそんな集中力は失ってしまったと思っていたから、一気に本を読んだ後に少し驚いた。
教科書に載っていた「ごんぎつね」や「サーカスのライオン」は、当時はさっぱり泣けなかったのだが、今読むと涙があふれてくるようになってしまった。年をとったなぁと思う。
これからも私の読書史が続いていくことを願う。
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