ゲーマーオタクでも彼女はできますかっ!?

@erinngi

第1話 隠れオタクの最悪な入学式

突然だが、皆さんは『オタク』をどう思うだろうか?

また、『オタク』を彼氏(または彼女)にしたい、してもいい、と思うだろうか?

...まあ、賛否両論あると思うのだが、少なくとも俺は【したくない派】は過半数いると考えている。なぜならーーー


「俺がまっっったくモテねぇからだよぉぉぉーーー!!!!!!」


今回は『隠れオタク』であるはずの俺がなぜこうなってしまったのか、また、その結果どんな高校生活を送ったかについて話していこうじゃないか。ああ、ほんと、なんでこんなになっちゃったんだろうなぁ。


西暦2030年 4月8日

碧桐(あおぎり)高校入学式


「ふあぁ...眠い...」


まだまぶたが完全に上がらないまま、半目になりつつもとりあえずスマホを見る。これは俺に限ったことじゃあなく、今の学生大半に当てはまるのではないだろうか?


「なんだ、まだ4時30分か」


これもかなりの人に当てはまると思うのだが、大切な日(今日の場合は入学式)には早く起きてしまうものだろう。そして二度寝するのだ。俺も今回はその、いわゆる『あるある』に当てはまってしまったというわけだ。この後訪れるであろう最悪な結果を予想できるにもかかわらず、だ。睡眠欲というのはなんとも恐ろしいものだな。


二度寝後


「は...8時30分...遅刻だぁー!」


入学式の集合は8時25分、開始は8時45分。

俺は電車通学なのだが、少なくとも30分はかかる。当然、開始にも間に合うわけがなかった。まあ、これだけならまだ「嫌な入学式だった」程度で済んだのだろうが、なかなかそう上手くもいかないものだ。


「初日だから大目に見てやるが、次はないからな、気をつけるように」


「はい!すみませんでしたー!」


逃げるように教室に向かおうとした俺だったが、当然今来た俺が、『自分の教室』がどこなのか分かる訳もなく華麗にUターンして先生のところへ戻るのであった。


「散々だったなぁ」


教室へいくと、一瞬にして注目を集め、当然俺に話しかけてくる生徒などいなかった。


「おい、話しかけてみろよー」


「えーいやだよー、初日から遅刻とか、ヤンキーだったら嫌じゃん」


早速仲が良くなったのか、元々同じ中学だったのか分からないが、仲のいい2人の会話が聞こえてきた。まあ無理もないだろう、俺だってその立場だったらそうしていたはずだ。こんな俺に話しかけるやつなんているわけが...


「よお!お前初日から遅刻とかまじうけるわー、そんななりしてヤンキーとか?」


「...なわけないだろ」


「だよなー!うけるー!」


いた。そんな中でもとびっきりの陽キャは話しかけてくるもんだ。これにはさすがの俺も動揺したよ。だが、そのおかげでクラスメイトも大爆笑、なんとか馴染んでいけそうだった。


さて、俺が『隠れオタク』だって話を覚えているかな?当時アニメやライトノベルがすごく好きだった俺は、当然のように学校にもライトノベルを持ってきていた。中学の頃は『朝読書』というものがあり、その癖で持ってきてしまったのだろう。あのときは焦っていたからな。


「なあ!お前ってなんか趣味とか好きな事とかってあるー?」


「いや、特に何も」


「またまたぁ、冗談キツイぜー、だれしも趣味の一つや二つあるもんだ、ぜ!」


「お、おい!」


油断していた。まさかカバンを取ってくるとは思わかなったのだ。さっきも言った通りカバンにはいくつものライトノベルが入っている。だが、中学時代オタクだと一切バレなかった俺が、その対策をしていないわけがなかった。


「なんだこれ、小説?」


「あ、ああ。小説を読むのが好きなんだ。」


「なーんだ、つまんねーなー」


そう!カバーを外しているのだ!そうすればたとえ見られたとしても決してバレることは無い。


《オタクあるある1》ーーーーーーーーーー

バレないようにラノベのカバーを外している

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


だが、先程も言った通り、朝の俺はすごく焦っていたのだ。


「他にはなんかないかなー?」


この時は、「フッ、ほかには何も無いぞ」などと思っていたのだろうか、それならば思いっきり殴ってやりたい。


「お?なんだこれ、女の子の絵が描かれた、小説の帯...?」


「え...?」


とてつもなく焦ったが、その時にはもう全てが遅かった。


クラスメイトA「えっ、なんか面白いものでもあったのー?」


クラスメイトB「見せろ見せろー!」


そして、全員が完全に理解したのであった。


「「「「「あ、オタクだったんだ」」」」」


終わった...。

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