虹色の瓶詰
夕雪えい
01.不死なる
ゆらゆらと昇る煙、千年くゆるその熾火の底より。
秀麗な高峰の頂から今も昇り続ける白い筋がそれなのだという。千年も前に火をくべていった者の思いは如何程だったのだろうか。
残念ながら、その物語は伝わっていない。千年も昔の話だから。いつの間にか雑多な伝承に紛れてきえ、あの辺には住む人もなく、文も残ってはいないのだ。
ただ並々ならぬ熱情の火だったであろうことは想像に難くはないだろう。
今でさえも燃えている。
不二なる炎。あの火は今、そう呼ばれて称えられている。消えない思いの象徴として。
いにしえびとの思いは知らねど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます