第五話 夏の可惜夜①

結局、二人とも私服で行くことにした。やはり歩きづらさもあるし、辛いのを二人とも経験していたのが大きい理由だったみたい。


何回か行ったこともあったから油断していた。そういえば、今までは他の大人に着いていくだけだった・・・・・・。

着々と約束の時間が迫る。そういえば、こっちから行けたはずだ、そして、こちらの方が近道だったはずだ。


人通りの多い道を避ける。歩道は人が女子高校生がギリギリ三人横に並べるだろうかと言う程度の幅しかないのに、さらに10メートルおきくらいに、木が植えてある。そのため、ほとんど進まない。

目の前には、浴衣を着た五歳くらいの女の子と手を繋いでいる父親が歩いていた。そして、その前には赤ちゃんを抱いた母親と見られる人物も。


約束の時間まで、あと二分。仕方が無いので、縁石を飛び越して車道に少し出たところ、あの、自転車が走るスペースにしては狭すぎるくらいのあそこを走った。

その親子を抜いてからは歩道にきちんと戻ったが。

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