第95話 辺境伯爵様

 開店三日目模擬戦効果もあり、朝から依頼を受けた冒険者が店の前を通り、手裏剣やポーション類が売れて行く。中には見回りの兵士が通って興味を、もってくれたので良い宣伝になった。


 「すいませーん。こちらにクーヤンと言うかたとピューネと言うかたはいますか?」


 「僕がクーヤンですがどちら様ですか?」


 メイド服を着た女性と護衛らしき二人が馬車に乗って現れて、お店に訪ねてきた。


 「初めまして、私はガドラス辺境伯爵様のメイドをしてます。サラマリと言います。こちらは護衛のシュナイケルとワライズです。」


 「初めまして、何かご用ですか?」


 「先日の件でガドラス辺境伯爵様がお会いしたいとの事で、急ですが来て頂けませんか?」


 「今からですか?」


 「はい。」


 「解りました。すぐに準備をしますので、ミーリハーブティを渡してて!」


 お店の置くに行きピューネを連れて戻る。


 「お待たせしました。」


 馬車に乗ってガドラス辺境伯爵様の屋敷に行く途中に、先程のハーブティについて聞かれたので、自作で作ってお店で販売していることを教えている間(種類や効能や値段を)に屋敷に着いた。


 「こちらでお待ちください。」


 「はい。」


 応接間に通されて、ガドラス辺境伯爵様を待つこと10分!


 「急な呼び出しに来てくれて感謝する。そちらがピューネだな。」


 「はい。何かトラブルでもありましたか?」


 「イヤイヤ!クーヤン君が渡した手紙で昨日のうちにすべて片付いたよ。マルチ男爵も手紙の事を聞かされてなかったから驚いていたよ。」


 「手紙がなくても解決すると思っていたので、下手に渡して巻き込まれたくなかったのですが、結果混乱させてしまい申し訳ございません。」


 「マルチ男爵から聞いた通り、クーヤン君は貴族に興味がなさそうじゃな。お礼もかねて結婚式に招待しようとしたが、他のお礼がよさそうだな。」


 「いえ、そんな事はございません。貴族に極力関わりを持つのは遠慮したいですが、お祝いの席は歓迎です。是非ともお願いします。」


 冒険者ギルドで稼げなくなった以上、ここは貴族と関わりを持って稼がなくては!それにガドラス辺境伯爵様はこっちの気持ちも考えてくれている。


 「そうか。そうか。それなら二人を追加しとこう。5日後に行うからよろしく頼む。それで話は変わるが、そちのピューネとやらはかなりの手練れと見た。軽く模擬戦をしてもらえないだろうか?」


 聞いてきているが断る選択肢はまずないが、さすがに辺境伯爵様に怪我をされると困る。


 「辺境伯爵様自信が相手をされるのですか?」


 「うむ。と言いたいところだが、他が許してくれまい。」


 「当たり前です。第3騎士団のワライズがお相手をしましょう。」


 後ろの護衛をしている騎士団が相手をするようだ。場所を変えて訓練場へ向かうと、第1騎士団が訓練を行っていた。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る