第56話 拠点

 拠点に移動すると、奴隷の全員が驚いた表情で動きを止めていた。転移に驚いたのもそうだろうが、大きな狼フェンリルが目の前にいては息を圧し殺していてもおかしくはない。


 「安心して下さい。ここ周辺の主で、ここを守ってくれる守り神だと思ってください。」


 クーヤンの話を聞いて少し安心をしたのか、地面に座り込む者達がいた。落ち着いた頃に、12人は個室を、家族達には大部屋を与えた。

 余った部屋は、物置部屋にして、各々に仕事を振り分けた。特に蒸留装置を使い、焼酎、泡盛、ウォッカ、テキーラ、ウイスキー、ワインなどのお酒類を作らせる予定だ。今年は、ウイスキーと泡盛を大量に作り古酒にする予定。

 後は、ハーブティーや石鹸なども作るため、ダーラン一家はお酒担当、ドンゴ一家とサンタ一家は農作物の収穫や管理担当、アンナ、ララ、ニャサ、ハンナはハーブティーや石鹸担当と振り分け、残りはケースバイケースで対応して貰う。 

 

 ダーラン一家には蒸留装置の使い方を教えて、泡盛にはタイ米を使用し、ウイスキーには大麦、ライ麦、トウモロコシを使用して作る事を教える。

 

 アンナ、ララ、ニャサ、ハンナにはハーブの種類と部位を教えて、ハーブティーを作って貰う。

 

 花びら・・ラベンダー・カモミール・ポットマリーゴールド・ローズ・マロウ・ハイビスカス・ローズ等 

 

 葉&茎・・レモンバーム・タイム・レモングラス・ローズマリー・オレガノ・セージ・バジル・ミント類・ヒソップ・マジョ ラム・リンデン・レモンバーベナ等

 

 組合せによって、色、香り、味が変わるので、色んなパターンを作って貰う。

 

 次に、石けんの主成分を教えて、油脂、水分、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)

オイルの種類や配合によって仕上がりも違うことを教える。

・オリーブオイル  しっとり

・ココナッツオイル  泡立ちよく

・パームオイル  硬さを出す

・マカダミアナッツオイル  浸透よく軽い

・ ホホバオイル  浸透性、保湿力

・スイートアーモンドオイル 柔らかくクセがない

・ ひまし油 泡立ち・保温


 こちらも配合パターンを変えるだけで違ってくるから色んなパターンを作って貰う。後は、香り付けを教えたり、精製水のかわりにハーブティーを使い、苛性ソーダ水溶液を作る事でハーブティー石けんが出来る事を教えて、効能も教える。


 ・ラベンダー 肌の調子を整え、リラックス

 ・カモミール 敏感肌やアトピー

 ・ローズマリー 若さを取り戻す

 ・ペパーミント 気分をリフレッシュ

 ・ローズヒップ ビタミンCをたっぷり取り込むことができる。


 教えたは言いが、物のない材料もあるため、まずはあるもので作って貰う。




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