第36話 結婚式までの期間

 リーリンと簡単なクエストを送る日々を淡々と過ごしていながら、必要な物を考えていた。


・海鮮が欲しい(海に面してないからこの国では川魚しか食べてない。)そもそも海に魚がいるのかすらわかってない。


・パフェが食べたい(甘いものがないので恋しい。)カカオの実を探す


・米が食べたい。(異世界物の定番米の禁断症状)これは畑が育てばなんとかなる。


・歯ブラシ(簡易な物しかない)電動式歯ブラシを使っていた自分としては磨いた気がしない。せめて毛先のしっかりしたものが欲しい。


・トイレの設置(外でやる人が多く)町中も汚い。


・お風呂(やはり日本人として生まれたならお風呂は必須)


 前回の事と合わせると、やりたいことがかなり増えた。その為には資金と労働者が必要になるなど考えていたのだが、それよりも結婚式に着ける洋服が準備出来てない。


 「結婚式まで二日だけど服装はどうしたらいい?」


 「失念してました。クウヤ様。私にはそういった知識はございませんので、誰かに相談してみましょう。」


 リーリンも騎士として雇われると言え、孤児で冒険者として生きてきた為、貴族の結婚式にたいしての作法がわからず、他を頼ることになった。

 今日の夕食のときに、父上に相談すると今から仕立てるのも間に合わないため、何店舗かの古着屋を紹介され、明日、母上と回ることになった。

 翌朝、


 「母上、おはようございます。」


 「ほら、行くわよ。準備して!」


 かなり気合いが入っている母上に起こされ、急いで準備して朝食も取れず向かう。昨日紹介された五ヶ所をまわり、一旦食事にするため探すのだが、さすが貴族が集まる場所なだけあって、高そうな場所しかない。


 「何処がいいかしら?」


 「母上、あそこが人が少なく落ち着いて話せるのではないでしょうか?」 


 人の多い場所だとトラブルを起こしそうなので、人の少ない場所をそれとない理由で選んだ。

 お店に入りメニューを見るが、普段食べてる十倍以上の金額に驚いたが、香辛料が使われ、肉もそれなりの物が使われているのだから納得した。


 「クウヤ何処が良かった?」


 「2店舗目に回った場所が、良かったです。」


 「そうね。クウヤが主役なはけじゃないから、そこで選びましょう。」


 5店舗の内二つは明らかに王族が着けそうな場所だった為に除外して、残り3店舗中2店舗も注目を浴びそうな物が多かった為、消去方で1つになった。そのあと母上の着せ替え人形となり、三時間もかかった。

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