第4話

「おはよー」


魔王(夫)がリビングのドアを開けるが、誰もいない。

いつも魔王(夫)が一番の早起きだ。

朝ごはんのパンを自分で焼く。家来(鬼嫁)と娘(勇者?)の分も。


「おはよー」


娘(勇者?)がやってきた。

魔王(夫)のあぐらの中に勢いよく腰を下ろす。



「はうっ!」



丸くなる魔王(夫)

隣で二度寝する娘(勇者?)



「……娘ちゃん……座るときは……ゆっくり座って……」



昨夜からなんだろう……わざとなのか?

勇者なの?






「おはよー」


家来(鬼嫁)がやってきた。


「?今日は早いね」


「うん、ごはんは?」


「パン焼けてるよ」


家来(鬼嫁)は黙って卵とソーセージを焼く。

今朝は機嫌が良いらしい。


コーヒーの芳い香り

新鮮な葡萄

今日はヨーグルトまで付いてるラッキー。




いつもより豪華な朝食を済ませた魔王(夫)は機嫌よくいつもより早く出勤する。




「いってらっしゃい」ちゅ。



「いってくる」バサッ



深紅のマントを翻し、颯爽とママチャリに跨がる。




あげとく。

それが家来(鬼嫁)の流儀。

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