存在しない新幹線

 林間学校での出来事です。


 私の名前はSとします。


 「Wちゃん!林間学校新幹線乗っていくけど乗り物酔いしないでよね。」


 「大丈夫だってS!酔い止め薬飲んだし。」


 私の友達のWちゃんはいつも調子のよいことばかりを言って最終的に痛い目にあう。


 「まあいいけど!早く行こう!新幹線に乗り遅れちゃうよ!」


 そう言って私達は新幹線の指定席に座った。しばらくして指定席で友達とトランプをしていると


 「あなたたち、ここは私の座席だからどいて!」


 と言われた。もちろんここは私達のクラスの車両なのでその人の座席のわけがない。


 「座席番号見せてもらってもよいですか。」


 私はそう言ってその人の座席表を見せてもらった。そこには確かに私が座っている座席の番号が書かれていた。


 「かかりの人に聞いてみますか。」


 私がそういうと


 「いいわよ!私が行くから!あんたは黙ってて!」


 そういってその人は係の人に話に行った。しかしいくらたっても戻て来ないので係の人にさっきの座席を聞いた人どこに行ったかを聞くと


 「そんな人いませんよ。」


 そう言われた。しかしその人は確かにかかりの人と話していたのでいないはずがないのだ。そこでさっきの人の座席番号を思い出してみるとぎょっとした。さっきは気づかなかったが座席番号の上に書いてある○○号のところが存在しない新幹線の名前だったのだ。調べてみるとそんな名前の新幹線は走っていない。じゃあ一体あの人はどこに行ったのか。そしてあの人が持っていた新幹線はどこ行きの新幹線でなぜ改札を通ることができたのか。私は今でも不思議で仕方がない・・・・。

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