第4話

 リビングで私はパソコン、妹は勉強、母は妹の勉強を見ていた。父は埼玉に出張中。帰ってくるのは明後日だ。私は食卓の机でパソコンをいじっており私の座っている先には和室が見える。和室は私達の寝る寝室だ。私はこの小説を何にしようか考えていたがふと前を見るとうっすらと人影が見えた。なんだろうと思いながらもあまり気にせずにパソコンを打ち進めていた。


 「ママ。トイレ行ってくる。」


 妹はなぜか母に許可を取っている。母は夜ご飯を作り始めるために席を立った。するとさっきまで母が座っていた場所になぜか男の子が座っていた。そしてニコッと笑うと一瞬で消えた。


 「お母さん。今男の子座っていなかった。」


 「何馬鹿な事言っているの。この家に男の子なんているわけないでしょ。」


 でも確かに男の子はここにいた。そう思っていると今度は私の後ろでトントンと肩をたたかれた。


 「何?」


 そう思いながら後ろを向くとさっきの男の子がいた。どこかで見たことのある顔だと思った。しかし何も話しかけずにいるとそのまま消えた。その時思った。私は午前中病院に行っていたのだがその時小児科で男の子が倒れて医師が慌ててストレッチャーで運んで行ったのを覚えている。その男の子は私が待合室で待っている間私と遊んでいた男の子だ。もしかしてと思い私は病院に電話をするとその男の子は亡くなったらしい。もしかして最後に遊んだ私に会いに来てくれたのかな。そう思うと涙が出てきて泣きそうになった。

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