男子校生の日々

銅キノコ

第1話   プロローグ

今日から新学年が始まった。

最高学年の三年生さんだ。

教師と同学年を除いて一番年上だ。


一般的にはそれと同時に高校受験の年でもあるのだが僕としてはあまりピントこない。自分の意識の低いとか言うことではなく、たんに関係ないからだ。

もっと正確に言うと、僕の通っている学校所属しているやつはとなる。


何故かというと、答えは簡単。

我らは中学受験をしたのだ。

なので高校はそのまま上にあがることが出来る。


これ自体は非常にありがたいことだ。

高校受験という面倒事をスルーできてとてもうれしい限りなのだ。

自分のしたこととは言え、褒め称えたい気分だ。

これで中学の残りの期間を謳歌でき。


友達と遊んだり、部活動に励んだり、趣味に勤しんだり、出来ることはたくさんある。


だが1つだけ出来ない、やい非常に難しいことがある。


それは、恋愛だ。


もっと具体的に言うならカノジョだ、もっと言うならその先のムフフだ。

こちとら思春期まっしぐらな中学生。そろそろカノジョの一人ぐらいもしいもの。小学校の同級生には中学の入学と同時に付き合いはじめたアンチクショウも居るぐらいだし、そろそろ自分もと思うところだが、そう上手くはいかない。

と言うか後3~4年は絶望的だ。なぜなら


男子校に入学してしまったからだ。


入学当時は気にならなかった、もとい気づかなかった。しばらくして中年ガラワル英語教師に「お前ら、懲役6年やな」と言われたとき、はじめて気がついたぐらいだ。この言葉の意味は「お前ら、6年間男子校で女子とふれ合う機会ほとんどないし、カノジョゲットは当分無理やな。まぁ、俺は結婚してるから関係ないけど。ざまぁ~」という意味でだ。

後半は偏見による勝手な解釈だが、前半はあっている。


つまり、男子校に入学した時点でそう言うことは諦めろと言うことだ。


これを知った瞬間、過去の自分を呪った。

ミミズとナメクジとカタツムリで佃煮つくだにを作って送りつけてやろうかと思ったぐらいだ。

自分のしたこととは言え、思いっきり中指を突き立てたい気分だ。

これでこの先6年間、華のない人生をおくることが決定した。


でも、そんな男子校でも楽しいことはたくさんあるわけで。


華はないけど笑いの沢山ある日々が特に何の出来事もおこることなく、ヌルッと始まります。

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