第26話 吹奏楽部の遊び

 吹奏楽部の皆さんなら経験あるんじゃないかと思うんですけどね。

 選択科目、音楽とってたりするんですよね。そうすると、音楽の時間の前の休み時間、リコーダーで遊ぶやつが出てくるんですよ。


 トランペットのN君が課題曲とか吹き始めるんですよ、リコーダーで。そうするとね、仲良しのチューバ吹きY君が参加するんだ。そこにトロンボーンのT君が参戦してくる。ユーフォニウムのSさんが加わったところで、クラリネットのTさんが入って来て凄い事になってる。全員リコーダー! 音域被りまくり!


 トランペットもチューバもトロンボーンもユーフォニウムもクラリネットもB♭管なんで、そのまんま移調無しで吹けちゃいますから、他の管の調性なんか気にしません。

 本当はね、変ホ長調だったりするんですよ。それをB♭管でやるとヘ長調になるんですね。でも、普段我々パーカッションは変ホ長調で聴いてるの。

 それを彼らがいつもの調子でヘ長調で吹くの! 長二度分上がるの! うわあ、気持ち悪い!


 ここでフルートやサックスがないことに気付くんですな。

 フルートはC管、サックスはアルトがEs管、テナーはB♭管です。


 あとこのクラスにいる吹奏楽部は如月とKさん、どちらもパーカッションです。 いえね、パーカッションですからね。クロマティックパーカッション(グロッケンシュピールやシロフォン、マリンバなど)でもない限り音階が無いんですよ、パーカッションってのは。「ドン」とか「シャーン」とか「チーン」なんですよ。


 で、まあ結局Kさんは聴音ができない人なので、耳コピできちゃう如月がサクッと移調しながらフルートとサックスを入れるんですな、リコーダーで。

 Kさんはと言えばパーカッションの本領発揮、机を掌で叩いたり、グーに握って叩いたり、床を踵でドンとやったりしてました。「ひとりパーカッション」です。


 何やってんだよって感じですけどね。結構、全国の吹奏楽部の皆さんがこれやってるんじゃないかと思うんですが、どうでした?

 如月は家に帰ると、同じ事を妹(パーカッション)ともやってたんですが。



 だってクラシックファンなんだもん!

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