王族に転生したので、自由にいきたい

チョコミルク

第1話

 俺は今不思議な体験をしている。

 福岡県のある所で産まれ、63年の人生を生きてきたはずだ……。

 どうも記憶が曖昧で何故こうなったかは分からない。


 少し混乱もしているし、取り敢えず落ち着くしかない俺は普段から愛用しているタバコに火を付け一吸い……ふぅーっ、落ち着くな……。

 さて、現状を把握するか……ふむ、よし、分かった。


 服装は部屋着として毎日来ている地味な洋服に、裸足。

 その他の持ち物は、煙草にライターと簡易の灰皿のみ。

 でっ、場所はどっかの洞窟か……。

 よし、意味不明なのが分かった。


 洞窟と言っても、円形の部屋……およそ体育館みたいな広さと高さはあるな。

 だが、出入口が全く見当たらないとは……どうやって入ってきたのかもさっぱり分からん。


 取り敢えず、歩いてみるか。

 地面は普通に石で出来ていている床、壁は見たことがない岩で出来ていてゴツゴツしているっと……。

 先程から床にはゴミ1つ何も落ちていない。

 綺麗な感じがする。

 裸足なので歩くのは微妙に嫌だったがこれなら問題はないな。


 しばらく歩いてみたんだがやっぱり何もないな……。

 いや、あそこの地面に何かある?

 取り敢えず近付いてみるか。


 ……?此処だけ地面が色が違う?ってか、そもそもここまで密閉された場所なのに、若干薄暗い程度だと?電気…は有るわけないし何で明るいんだ?


 そう思い色が違う石で出来た地面を足先でつついてみる。

 そうすると、色が違う石床から眩しい光が上がり俺を包んでいき余りの眩しさに目を閉じる。


「うぉ!どうなっているんだ!」


 そんな慌てている俺を無視したように光が収まったようで、ゆっくり目を明けると先程の場所とは全く違った場所に、先程の体勢で立っていた。


「此処は一体……今のは何だったんだ?」


 回りを見渡すと洞窟だった場所が神殿で、しかも奥には台座の上に浮かんでいる大きな青い物体が見えた。


 ふむ、足元には色が違う石床か……。

 まさかな……。


 そう思い再度色が違う石床から離れ、再度足先で石床に触れてみる。

 やはり足元から光が上がり、目を開けたら薄暗い洞窟になっていた。


 ……。


 それから何度もその行動を繰り返す俺。

 そして今は神殿の方に来ていた。


 ……。


 俺は悩む、俺が育った日本…いや地球では有り得ない現象に。

 だが、知っているこの有り得ない現状を……。

 だが、しかし!この有り得ない現状を、しかも俺は見たこともあるし、その内容を知っている。

 俺の好きだった、アニメやゲームにラノベ小説でな!


「っと、つい心の中で叫んじまった。そうか、これが転移装置…いや、転移床か?」


 そう思い、手に持っていた煙草を更に一吸い。


「と、なると今さっき居たのが洞窟ではなく、ダンジョンって考えてみると……あの青い石はダンジョンコアか?」


 そう思い、台座に近付いてみる。


「ふむ、この部屋は先程の半分くらいの広さか……」


 そう思い煙草を一吸いし、短くなった煙草を指で消し簡易灰皿に捨てポケットにしまう。


「うっ、しまった!煙草を吸ったせいでコーヒーが飲みたくなったな……」


 そう呟くと、ポトッと日本でお馴染みのコーヒーの缶が空中に現れ地面に落ちる。


「はっ?」


 俺はその不思議な光景を見て息を飲む。


 俺はまだ何もしていないはずだ!

 これはまるでアレではないか!こ、これは不味い!


「ウィンドウ、ステータス、メニュー、バー、ヘルプ!……」


 といろいろ叫びまくるが、何も起きなかった。


 おかしい、何故何も出ない……。

 もしかして、何も出ないタイプなのか?

 そうなれば仕方がない……。


 勇気を振り絞り、台座に近付いて青い石に触る。が、何も起きない……ただひんやりと冷たい感触が分かっただけだった。


 何も起きないのか?なら、このコーヒーは一体なんだったんだ?

 試してみるか……


「洋服の上下に下着、靴下と靴。あと、それらを入れるバックが欲しいな」


 そう声をだし言ってみると、コーヒーと同じに空中にそれらが現れては地面に落ちる。


 やはり願えば物が手に入るのか?

 なら。


「この世界の一般常識の本に、近辺の地図それから広い範囲の地図が欲しい!」


 ◇◇◇


 洞窟の方にもどってきた俺は、がむしゃらになりツルハシを振るっていた。


 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。

 か、固い!さっきからツルハシでダンジョンの壁を掘ろうとしているんだけど、固すぎて全く掘れていない。それだけではなく傷さえもつかないとは……。

 そうか、ダンジョンの壁は傷が入らないもしくは、このくらいじゃ傷がつかないっていう方か……。


 そう思いながらバックに鶴嘴を入れる。


 俺が望むままに物が手に入れられると言うことは、ここが俺が思うにここはダンジョンで、俺がダンジョンマスターになったんだと思う。


 それなら

「ダンジョンメニュー!ダンジョンオプション!」


 ……うむ、何も起きない。

 な、なら次は自分のこの世界における能力の確認だ!

 この世界には自分の能力が確認するためには、スキルを使うか鑑定紙か鑑定玉で確認出来るらしい。これも一般常識の本による情報だ。


 スキルを知らない俺にとってスキルでは見れないし、鑑定玉を使うには魔力を鑑定玉に流さないといけない。

 魔力?流し方も分からないからパス。

 なら鑑定紙しかない。

 鑑定紙は血を一滴流すだけだからな。

 ただ、完璧に俺を鑑定するなら高ランクのスキルか鑑定玉と鑑定紙をセットで使うしかないらしい。


 鑑定玉は名前や年齢にスキル。それに犯罪履歴が分かるらしいんだが、鑑定紙では能力値のみらしい。

 簡単に全てが分かれば楽なんだけど難しいものだ。


「鑑定紙が欲しい」


 現れたのは手の平大の茶色い紙だ。


 これが鑑定紙か。

 これに血を一滴足らすといいんだな?


 で、これで見れる能力は最高から順にEX・SS・S・A・B・C・D・E・F・Gの10段階で評価される。

 何も鍛えていない者ならFやGが多いらしく、体力に自信がある人でもEと辛めみたいだ。


 そうして人差し指を歯で噛み切る度胸も無く、針を別にお願いし指を刺し血を垂らす。

 そうして徐々に現れる線に少なからず感動する俺。


 おおっ!文字が!出来上がっていく……

 えっと?結構表示される文字のスピードが遅いような……。


 まぁ、少しずつそこに現れた文字を見てみるとするか。

 レベル 1


 まぁな、何も経験値を稼ぐようなことは何もしてないのでこれは予想通りだ。


 体力E


 ふむ、体力はEか。

 これは普通にしたら高い方なんだろうな?一般的な能力より高いことによっていいんだろうな。


 魔力G


 おっ!俺にも少しは魔力があるようだ。

 これは小さい時の夢だった魔法が少しは使えるみたいだ。

 これはこれで嬉しい。


 スタミナE


 スタミナはEかレベルの割には高いのが嬉しいな。もしかしたら地球での能力値を引き継いでるのかもしれないな。


 力F


 む、もう少しは高いと思ったが……。

 だが、素直に力がGじゃなくて良かったよ。


 防御力G


 まぁ、何も打たれ強さが上がることはしたこと無いので妥当か……低いような気もするけど。


 器用EX


 はっ?有り得なくないか?確かに料理や絵物作りにおいてはかなり得意だが、ここにきていきなり何この感じは?

 まぁ、能力値が高いのは素直に嬉しいが……。


 素早さF


 器用さを見た後だと何か低く感じてしまうが、これが普通なんだよな……。


 運EX


 良し、早速カジノに行こう!ってならないからな?何かがおかしいぞ?


 精神力F


 あ……うん精神力は一般的な感じなのか?


 魅力G


 確かに異性に言い寄られた経験はないしプレゼントも貰ったこと無いが……。

 だが、何故か安心してしまうのは何故なんだろうか?

 で、全部出揃ったんだが 今一度見直してみる。

 レベル 1

 体力E 魔力G スタミナE 力F

 防御力G 器用EX 素早さF

 運EX 精神力F 魅力G


 これ、レベルが1の能力値じゃなくね?

 何器用と運だけあんなに尖っているんだよ!

 高い数値に嬉しいが、剣と魔法に魔物がいるファンタジーの世界だぞ?

 ここを出ても魔物に殺られました♪って洒落にならないからな?

 ふむ……どうするかな?

 仕方ない……これも自分のためだ。


 ◇◇◇


 鑑定紙を見てから多分、何日か経っている。

 俺は未だにこの場所に居た。

 望めば何でも手に入るここの居心地が妙に良く、能力値を鍛えまくっているところだ。


 スタミナがレベルに対して高いこともあって長時間に渡って、能力の低いところを伸ばすために頑張っている。

 で、魔力なんだが一般常識の本に習って魔力について確認中だ。

 漠然に魔法は魔力を消費するものとしか分からん。


 ◇◇◇


 更に1ヶ月が経ったが能力値のアルファベットが変わることはなかった。

 ただ訓練をする前と今では断然今の方がいいと言える。


 ◇◇◇


 更に1ヵ月が経ち魔力について分かるようになった俺は、一般常識の本に書いてある魔力を鍛えるやり方を参考に強化訓練のスケジュールを組み直す。


 ◇◇◇


 更に何ヵ月が経ったが能力値に変化は見られないが、この鍛えられた体は何だ?何故能力値に反映されないのか?

 不思議に思い、一般常識の本を見直す。

 一般常識と言っても知りたいことが何でも書かれているこの本はかなり助かっている。

 しかも何故か同じ本を何冊も持っている俺は、その時の光景を思い出していた。


「魔物図鑑に鉱物図鑑、植物図鑑が欲しい!」


 そうして一般常識の本を三冊追加で貰ったんだよな……。


 この本って不思議なことに、大きさは某週刊紙三冊分の厚みに大きさなんだが、本当にいろんなジャンルに渡って書いてある。

 しかも、運が良いからかこの本がそうなのか知りたいページをドンピシャでいつも開いてくれる。

 正に俺にとって神書だな……。


 んっ?まてよ?今魔法は覚えていないが、魔力は感じ取れるから鑑定玉使えるんじゃないか?

 それなら!

「鑑定玉が欲しい」


 出てきた水晶を落とさずにキャッチし、早速使ってみる。

 中の水晶自体に文字が浮かび上がる。


 名前 速水 法時

 年齢 63

 種族 人間

 職業 無職

 犯罪履歴 無し

 スキル

 農業 X 料理 Ⅷ 建築 X

 設計 X 裁縫 Ⅵ 調教X

 耐性

 属性耐性 Ⅷ 状態異常耐性 Ⅵ

 魔法耐性 Ⅴ 物理耐性 Ⅰ

 加護

 運命神

 製作神

 創造神


 ……。

 名前・年齢・種族間違いなし!

 職業無職!失礼な現役を引退した俺は農業の魅力にはまって農家をしていたのに、無職とは……。

 スキルにしたって何かがおかしい。

 これまでの人生の評価だとしたらそれは嬉しいが、いくらなんでも高過ぎではないのか?

 耐性スキルもそう、若い時はやんちゃもしたが……。

 毒耐性?これも若いときに野草を食べて体調が悪くなったり、蛇に噛まれ死にかけたり、蜂に刺された位だぞ?

 属性耐性に至っては何故高いのかそもそも分からん。

 雨に雪に日照りの日に頑張って働いたくらいだ。

 このくらいなら皆やっているはずだ。

 貴重な体験と言ったら雷に打たれるも、体に若干火傷をおったくらいで無事だった時は、我ながら神の存在に感謝したな……。

 で、魔法耐性?分からん。

 地球には魔法なる物は存在自体していたのかどうかな?シャーマンやイタコに霊媒師は居たので、もしかしたらその人がそうだったのかもしれないが、生憎その人達に知り合いは居ない。

 せいぜい朝の占い番組や新聞の占いを見るくらいだ。


 ……。

 これで全体的のステータスが分かったが、アレだバランスが悪すぎではないのか?

 高い能力は素直に嬉しいんだが……。


 それにしても本当に戦闘系のスキル無いのな…能力値が分かって余り期待はしてなかったんだけど……。

 異世界でやっていけるのだろうか……物凄く不安だ……。


 ◇◇◇


 さて、悩んでも仕方ない。

 問題は職業だ。

 流石無職はな?

 この世界では職業は選択制。

 成りたい職業に成れるのは嬉しいが、能力値が低すぎるとその可能性が無くなってしまうらしい。

 どうやって職業につけるのか、それは教会で決定されるらしい。

 何故教会で?と思ったら、職業選択の宝珠と言う物を使うらしい。

 これが中々貴重な物で各町にしか無いらしい。


 希にダンジョンで発見され村や集落にもある所は存在しているが、それは数える程らしい。


 で、ここにその宝珠がある。

 因みにさっきお願いして出して貰ったやつだ。

 貴重品という事で10は出して貰ったがやり過ぎか?

 売れるのだし良いよな?


 そうとなれば早速使ってみよう。


 鑑定玉とは違いこちらは頭のなかにはっきりと職業が浮かび上がる。

 これは中々面白い体験だな。


 で、出てきた職業がこれ


 料理人 鍛冶士 農家 建築士 見習い戦士 見習い魔法使い 見習い僧侶 遊び人 ……etc.


 うん、多いな。

 頭の中が文字で一杯だ。

 この中から、職業を選ぶの大変じゃないか?

 まぁ、一緒に出てきた盗賊や山賊は危険な香りしかしないので犯罪系は省けるが……。

 取り敢えず、戦闘系にするなら見習いと名の付く戦闘系だろう。

 ん?一番最後のは…こ、これは !


 名前 速水 法時

 年齢 63

 種族 人間

 職業 魔物使い 1

 犯罪履歴 無し

 スキル

 農業 X 料理 Ⅷ 建築 X

 設計 X 裁縫 Ⅵ 調教X

 耐性

 属性耐性 Ⅷ 状態異常耐性 Ⅵ

 魔法耐性 Ⅴ 物理耐性 Ⅰ

 加護

 運命神

 製作神

 創造神


 いや~、やっぱり憧れるよな。

 小さいときにやったゲームの主人公に一時期憧れていた俺は見た瞬間にこれを選んでしまった。


 もし、難しそうなら変更をすればいいのだ。

 出来るよな?


 急に不安になり職業選択の宝珠を使う。

 取り敢えず、見習い魔法使いに変更。

 で、再度鑑定玉を起動。


 職業 魔物使い 1 見習い魔法使い 1


 よし、無事に……変わってない!逆に増えとる!これは言わいる副業てやつか?

 副業……まだ選べるのか?分からん。

 なら、やってみましょう。


 職業 裁縫 1 見習い魔法使い 1

 見習い僧侶 1見習い戦士 1料理人 1

 錬金術師 1 鍛冶師 1 農家 1 調教師 1

 遊び人 1


 ふむ、職業は全部でⅠ0までは付けれるようだ。他にも魅力的な職業は沢山あったのだが…仕方ない最悪その時その時で、変更が出来るから問題はないだろう。


 職業 魔物使い 1 見習い魔法使い 1

 見習い僧侶 1 見習い戦士 1 料理人 1

 錬金術師 1 鍛冶師 1 農家 1 調教師 1

 遊び人 1


 最終の職業はこれに決定でいくとしよう。

 うむ、色んな職業に付いたお陰かそれぞれの職業に合った技能が頭に浮かぶな……。


 ◇◇◇


 何ヵ月も経ち、職業を覚えたことによってスキルがいくつか使えるようになり、今使えるスキルの練習だ。

 これから魔物と戦うかもしれないのに、その戦闘でいきなり使ったことがないスキル程恐いものはない。


「溜め!」


 溜めは見習い戦士のスキルで、一定の時間力を溜めることによって、次の攻撃で倍近いダメージを与えることが出来るスキルだ。

 見習い戦士にはあと二つスキルがあったのだが、《力アップ極小》《防御力アップ極小》で能力値が上がるスキルみたいだ。

 他の職業もそんな能力値上昇スキルがあり、

 初めての訓練で今までに無い動きなどを発揮した。


 しかも、能力値強化訓練をすればするほどその実感は増えて楽しいものになってくる。


 今ここで出来ることはやって来た。

 後はダンジョンコアのとこに行ってこれから必要な物をお願いして終わりかな?


 ◇◇◇


 このバックって一体どの位の量が入るんだろうか……。

 入らないよりはいいがな。

 バックに入れたものは一般常識の……神書にしとこう、神書に載っていた武器や装備は勿論の事、色んな種類の回復アイテムに食料、生活雑貨等、思い付く限りのアイテムは詰め込んだ。

 それに限らず職業が生産系もあるから色々な素材も詰め込みまくった。

 嬉しいことにこの中では時間の経過が無いらしくどんなものでも詰め込んだ。

 ただ、そのまま入れるのに躊躇した肉や魚は同じバックをそれぞれ追加で出して、バックをバックに入れる形で収納した。


 ふっ、お願いして物が現れる場所は決まっているので、バックの口を広げて待つだけの簡単な作業だった。

 ただ、簡単な作業の筈がもう大丈夫だろうってなったのは、その収納作業を開始してから五ヶ月もかかった。


 ◇◇◇


 で、どうやたらここから出られるのだ?

 このダンジョンコアが怪しいのは怪しい。

 触れてみるが何も起こらず、台座の下に隠し階段があるかもしれないと思い、台座をズラすように全ての方から押してみたが全く動かず。


 くまなくこのフロアを徹底的に調べるが何も発見出来なかった。

 台座からダンジョンコアを取ろうとしても動かないし、攻撃しても壊れなかった。


「案外動くとこの大きさのバックって動きづらいんだよな……。」


 !?今のは?

 唐突に俺の頭にあるスキルが鮮明となってくる。


 スキル《時空間魔法》


 なんぞや?時空間魔法って?

 使い方は……ふむ。

 なんなく分かる。

 なろほどなるほど。

 で、このスキルは一体何の職業で手に入ったんだ?それが不明だ。


 まぁ、取り敢えずこのスキルを検証してみよう。


 ◇◇◇


 時空間魔法で出来ること。

 それは攻撃も出来、防御も出来る。

 知っている場所に瞬間移動だって出来る。

 ただ地球には帰れなかったが……。

 で、今持っているバックと同じように物を収納することも出来る優れた魔法だった。

 バックをアイテムボックスに入れ、俺は再度ここからの脱出を試みる。

 少し安心するために今の洋服は、俺が初め来ていた地味な洋服だ。

 やはり古郷の洋服は落ち着く。


 やはり水晶が怪しいのだ。

 今までは、ただ触るだけだったんだが今回は魔力を流してしまおうと思っている。

 これで何か進展がないのなら、流石にお手上げの常識だ。


 早速俺はダンジョンコアに魔力を流す。

 そうすると、ダンジョンコアから眩しい光が出て、俺を光が包んでいく。


 光が収まり無事に転移が終わった俺は辺りを見回す。


 ここは…一体……。


 学校の運動場ぐらいの面積。

 その中はほとんど花壇で同じ花ばかり咲き誇り、同じ花でも色んな色があってとても綺麗だ。

 その花たちを眺めることが出来るように歩道があるが、それも含めて芸術的な物に見えてくる。

 俺の奥には1つだけ石造りの白い神殿が見えるが、何やらそこから神秘的な力を感じる。


 何だ?足が自然と動いてしまう。

 いや、違うか…どこか心であの建物に行かないといけない気持ちになって、無意識に進んでしまうのか。


 近付けば 近付くほど、神殿の神秘的な力を強く感じるな。

 だが、体調には悪い変化はないが、体の体調が凄く調子が良くなってきている。

 ここは何処なんだ?

 ダンジョンコアを通して来れたんだから、ダンジョンマスターの為の空間なのか?

 ここが神秘すぎて逸れすらも怪しいな。


 俺は唾をのみ神殿の入り口まで辿り着いた。

 神殿にはこれまた豪華、でも個人的にだが好きで、神殿にピッタリな扉がある。


「すみません!何方かいらっしゃいませんか?」


 扉に付いているノッカーを使いそう呼び掛ける。

 そうすると自動で扉が開く。

 そして、神殿の奥には三人の人が居た。


「ようこそ、速水法時。待っておったぞ」


 そうにこやかな表情で中央のお爺さんが声を掛けてくる。


「っつ!」


 にこやかな表情だが、近づけない!

 あ、足が震える!どうして俺の名前を?待っていた?


「む?あぁ、二人とも気を押さえるんじゃ」

「まぁ……」

「しまった……」


 気?何の事だ?だが、先程の震えは止まった…か……。

 一体何者何だこの人達……。


 三人は俺に歩きながら近付いて来た。

 その表情は先程のにこやかな表情、ではなくどこか困ったような表情で。


「速水法時よ…すまなかった……」

「悪かったのよ~」

「申し訳ない……」


 目の前まで来た三人はそう言い頭を下げてきた。


「えっ?」


 ーーーーーーーーーーーーーーー


 レベル 1

 名前 速水 法時 レベル 1

 年齢 63 種族 人間

 職業 魔物使い 1 見習い魔法使い 1

 見習い僧侶 1 見習い戦士 1 料理人 1

 錬金術師 1 鍛冶師 1 農家 1 調教師 1

 遊び人 1

 犯罪履歴 無し

 スキル

 農業 X 料理 Ⅷ 建築 X

 設計 X 裁縫 Ⅵ 調教X

 耐性

 属性耐性 Ⅷ 状態異常耐性 Ⅵ

 魔法耐性 Ⅴ 物理耐性 Ⅰ

 加護

 運命神 製作神 創造神

 体力E 魔力G スタミナE 力F

 防御力G 器用EX 素早さF

 運EX 精神力F 魅力G

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る