朽ち果つ廃墟の片隅で 二・五巻
遮那
第1話 望月家
私(望月琴音) 身長171cm 髪型 厚めの前髪ストレートロング
義一(望月義一)身長178cm
髪型 長髪
間柄 叔父 35〜36歳
顔つきは女性を思わせるほどの中性的な顔つきで、目は少し垂れ気味の二重、鼻筋は品良くスッと通っており、鼻自体は小さめ、唇は薄く、長髪は気持ち低めの位置で纏めたポニーテールにしていて、伸ばしかけの前髪も、無理にまとめず、あえて後れ毛として残している。一人称は僕。
ここ一、二年は、絵里に誕生日にプレゼントして貰ったであろうメガネを常時掛けている。
望月栄一 身長180cm
間柄 父 42~43歳
髪型 サイドとトップを長めに残した柔らかい印象のツーブロック。ロマンスグレー。義一の兄。
年齢が離れているので厳密には違うが、双子かと見違う程に顔が義一と似ている。敢えて違いに触れれば、義一は雰囲気も含めて柔らかな印象を相手に与えるが、栄一は厳格そうな、冷たいとまでは言わないまでもそんな印象。
昔から無口な方だったが、年を経るごとにその度合いが増している。こんな点も義一とは真逆だ。
その代わり、琴音が自分の社交の場に頻繁に出入りする様になり、素の自分を見られているのを自覚してか、飾りっ気を無くした様で、すっかり家でも一人称が”俺”な事が多くなってきている。
琴音にとってのお爺ちゃん、栄一にとっての父である誠三郎が、一代で大きな総合病院を建てた事を、幼い頃から、周囲から言い含められ続けてきたせいなのか、そんな周りが褒めちぎる父を尊敬していたが、そんな父は、弟である義一に対して、あまりにも甘やかし過ぎだと思っていた…と言うのは聡の見解だ。
栄一の目から見ると…いや、世間一般からでもそうなのだろうが、かなりの変わり者に映る義一、権威主義…とまでは言わないが、周囲の目や評判ばかり気になる様な性質の栄一にとっては、奇異に見える義一が一族の評判を貶める、目の上のタンコブとしか見れなかったし、それは今も…琴音の前では一切触れないから実際のところは分からないが、恐らく変わらず継続中だろう。
望月瑠美 身長173cm
間柄 母 42~43歳
髪型 着物を着ている時には基本的にアップにしている。それ以外は、元々琴音と同じ長さのストレートロング。
顔は自分では分からないが、琴音にそっくりらしい。
それを周囲から言われるたびに、瑠美は過剰に喜びを見せる、ある種の親バカ。
しかし公の場や、それ以外の普段でも見せる所作は、娘の琴音の目から見ても、背筋がスッと伸びた姿も相まって、凛とした印象。
が、その反面、急にくだけた、おどけた幼げな様子を見せたりと、娘の琴音ですら今だに母親のキャラクターをハッキリと捉えきれていない。おしゃべりな方だが、色んな顔を見せるせいで、逆にミステリアスな印象を持たせる。
生まれは浅草橋にある、創業百年を超える有名な呉服問屋の末娘。典型的な箱入り娘、お嬢様だった。
子供の頃は家の中では着物を着るのが義務だったらしい。普段は琴音の前では洋服を着ていたが、お家にお父さんの知り合いなど誰かを招き入れた時は、ピシッと綺麗に着物を身に付けて対応していた。
普段の振舞い、背筋がシャンと伸びていたり、ドタバタと動き回らず滑らかに流れるような動作など、どれもやはり子どもの頃から着物で過ごしていたのが、良いように作用していた。
父、栄一との馴れ初めは、お婆ちゃんから聞いた限りでは、これまた古風にお見合いだったらしい。
瑠美は中学から、九段にある都内でも有名なお嬢様校に通っていたらしく、大学も付属していたので、そのままエスカレーター式に進学したようだ。そんなずっと女子校で、殆ど男っ気の無いのに心配したのか、栄一の一つ前の院長と、母方のお爺ちゃんが友達だったらしく、その繋がりでお見合いした流れだったようだ。
呉服屋の娘だから…とは関係ないだろうが、着物を着るという繋がりで、子どもの頃から日本舞踊を習っていたらしい。それを未だに熱心に続けている。趣味らしい趣味を持たないお母さんの、唯一の趣味と言えるのが日舞だった。
片桐聡 身長165cm
間柄 義一と栄一にとっての従兄弟 47~48歳
髪型 角刈り
ヒロの通う地元の第二中学校の国語教師。そしてヒロの所属する野球部の顧問。監督。
義一と栄一という真逆なタイプの従兄弟両人と、分け隔てなく仲良く付き合っている。義一達の方でも聡には素直な態度が取れる。
普段は飄々とした、典型的な”おじさん”な態度しかとらないが、その言葉の端々から、従兄弟達を心から心配しているのが見て取れる。
高校に入ったばかりの義一を、自分の大学時代の恩師である神谷に紹介した。
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