第16話 過虐②

三島のことが好きだと気づいてからというもの、三島に必死でアプローチした。

三島はバドミントン部だったので、部活がなかった日はいつも一緒に帰った。

周りからどんどん冷たい目で見られても、三島だけは全く気にせず、一緒に帰ってくれなし、話しかけてくれた。


三島に会う度に、話す度にどんどん好きになっていった。

そして一緒に帰っていたある日、私は決心した。


「みしまぁ、公園寄らない?」

「ん、いーよ」

今日は三島の部活が終わるのをずっと待っていたから辺りは暗く、公園は電灯がついていた。

公園のベンチへ誘導し二人で座る。

「あ、あのさ」

「ん?」

「三島、話がある」

「なに?」

真剣さが伝わったようでかしこまったようにこちらを見る。

あぁ、やっぱり好きだ。この優しそうな顔。


「私、三島が好き。いつも優しい三島が大好き。だから...だから、私と、付き合ってください」



「俺も好きだよ。よろしくお願いします」


え.....うそ.....三島も私の事....

嬉しすぎて胸が張り裂けそうだった

「え....すごくうれ───んっ」

急な唇の柔らかい感触に驚く。キスされたのだ。そして強引に舌を入れてきた。

「んっ....ぷはぁ...ちょ、ちょっと待って」

息が出来なくて、手で押しのけてしまった。


三島、こう見えてすごい積極的だな。

そう思った次の瞬間三島の手が胸に伸びてきた。

「え...ちょ....」

三島の顔を見る....とそこには別人がいた。


驚いて手で三島(?)を押し倒す。

「やめろよ...俺の事好きなんだろ?優しくするからさ」

別人かと思ったが三島だった。いや、それはもう私の知っている三島ではない。口は三日月のように笑い体を舐め回すような視線を送ってくる。


「ねぇ、どうしたの?三島。そういうのはさ、もうちょっと、仲が深まってから、ね?」

「はぁ?俺に助けて貰ってるくせになんで生意気な態度取れるわけ?黙ってれば痛くしないから黙ってろよ」

こいつは三島じゃない。三島の顔をした誰かだ。そう思い込んだ。


にたにたと気持ち悪い笑みを浮かべながら三島はこちらに向かってくる。

「やめて....来ないで.....」

そして手が触れる距離まで来た時、身の危険を感じ三島を殴った。


「.......っ!痛てぇよ!あぁもう怒ったぞ。全部言ってやるよ」


いじめはここからが本番だった。


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こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。質問等もお待ちしております。

毎日投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。

これからも『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。

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