第13話 怖女
教室の前まで来た。クラスが何やらざわついている。嫌な予感しかしない。
「はぁ。憂鬱だなぁ。」
教室に入り、自分の席に座ろうとする、と、秋咲がいた。
「お前なんで俺の席座ってんの?」
ざわつきの正体はこれか。
「探君の座ってた椅子が愛おし.....じゃなくて、放課後話があるわ。ここに来なさい。」
秋咲は、『放課後 屋上』と書いた紙を置いて去っていった。
はぁデジャブすぎるんだよなぁ
しかも最初の言い間違えやばくねぇか?なんて言おうとしたらああなるんだ?
はぁ。
放課後何言われるんだろうなぁ。憂鬱だなぁ。そう思って席を座ろうとすると、雲水がこちらに来た。
「さぐりん♪どぉしたのぉ?」
さ、さぐりん.....ほんとにどうしたんだこいつ。あってか、俺こいつに告られたんだった。まぁぶり返すとめんどくさいし黙っとこ。
「放課後、秋咲に呼ばれただけだよ。」
「えー、星雨もいくぅー」
こんな絵に書いたようなぶりっ子、ほんとうはうざがるべきなんだろうな。でもマジで可愛いからなこいつ、ファミリアたんそっくりだし。それに女子に話しかけられたのだって久しぶりだったし。まぁでもこれはダメだ。
「申し訳ないが、それは無理だ。俺と秋咲二人の問題だから」
そう言うと、いたずらのように笑って顔を近づけてきた。
えっちょっ、今日二度目のキス!?体で頼んだってダメだよ!?しかも俺マスクしてるんですけど!
顔がどんどん近づいてくる。そして目の前まで顔が来た時、咄嗟に目を瞑った。
すると耳元で、
「昨日のテニス楽しかったぁ?さぐりん」
と囁かれた。
「え、おま、なんでそれを.....」
「大変だったねぇ中学校、でもそんな過去を持ってるさぐりんもだいすきだよ」
また耳元で囁く。
なんで知ってるんだ....こいつ...なんで....
「何が欲しいんだ、金か?」
自分でも声が少し震えてるのがわかる。
「そんなものはいらないよぉ。さっきも言ったでしょ?放課後ついてってもいい?」
「好きにしろ。」
なんで知られてるのかわからないが、こいつは危険だ。放課後白黒つけよう。
「ありがとぉ、さぐりんだぁいすき」
今度はクラスメートにも聞こえるような声で言った。クラスメートはみな驚いた表情で俺と、雲水をみている。
雲水はもう今まで積み上げてきたクラスメートの信頼はいらないのか?
こいつの考えていることが全くわからない。
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そして、放課後になった。いま、屋上で秋咲と向かい合っている。そして、横には雲水がいる。
「探君、なんでそいつが?」
「ついてきたいって言ったから」
「だとしても、これは二人で話すべき内容なの」
「そんなことは知っている。だからこいつがなぜ来たか今からはな─────」
遮るように雲水は言った。
「はいはぁーい!私から話したいんですけどいいですかぁ?」
正直、この状況を説明する上では、雲水から聞いた方がいい。何故あのことを知っていたのかも知りたいしな。
「いいよ」
なので、話を聞くことにした。
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こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。
レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。質問等もお待ちしております。
毎日投稿を心がけておりますが、嵩いの李は
これからも『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。
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