第9話 好敵

久しぶり。しばらく出てなかったから自己紹介から始めるね。私は、臨生学園高校2年3組の雲水うんすい 星雨きら。あールビがついちゃうくらい登場してなかったかぁ。でも安心して、これからは私の番だよ。

モットーは、広く深く。色んな友達と深く繋がるようにしているんだ。

親しみやすいように髪の色を明るく染めて、いつもにこにこしてる。勉強もできるし、顔も可愛い。まさに、みんなのあこがれになる人としてふさわしいのが私。

でも、そんなわたしも嫌いな人がいる。

それは、秋咲 唯未。

秋咲が私のことを知っているのかは知らない。でも私は私以上になんでも出来る彼女が大嫌い。

この学校で、私は1番にならなきゃいけないのに、秋咲はいつも邪魔してくる。だから、秋咲は私が潰すと決めた。

そのために、秋咲が持っていないものを手に入れた。それは、モットーでもある、深くて広い交友関係。

たくさんの人の、よわみを聞いて、いろんな人と深い関わりを持つことが出来た。あと少し、あと少しで、みんなを使って秋咲を潰せる。


そんな時に私の人生を変える出来事が起きた。


ある日のこと、授業が全て終わって、教室で今日の予定を確認していた。今日は完全下校なので部活はない。なので、いつも部活で忙しく、交流があまり出来ていなかった子と遊ぶ予定である。

「ふぅ......」

重い腰を上げ、待ち合わせ場所の校門に向かうため、教室を出る。すると、目の前を誰かがすごい勢いで走ってが通り過ぎた。

「ん?」

走っていった子を見る。誰かではなく秋咲だった。

「なんであんなに急いで......」

冷静沈着な秋咲があんなに焦っている姿は見た事がない。だからこれは何かあると確信した。

急用ができたので遊べなくなったという趣旨のLinuを遊ぶ予定だった友達に送り、秋咲の後を追った。


ついて行くうちに、秋先はテニスコートに向かっていることがわかった。

「なんで部活もないのにテニスコートに....?」

意図が全く見えないままついていった。

しばらくすると、秋咲がテニスコートの中に入っていった。

私はコートの近くの物置の陰で様子を見ていた。遠目からは見えなかったが、中には人が居るようだ。

あれは.....佐藤探?

なんであいつが......?

佐藤探には、好きも嫌いもなんの感情もない。が、友達がいつも悪口を言っていたのでそれに乗っかっていつも一緒に言っていた。

あいつはメガネとマスクをしてて根暗っぽいし、運動も勉強もできない。だから秋咲との接点が分からなかった。

「あっ......」

そういえばこの間秋咲がうちのクラスに来て佐藤探に何か言っていたことがあった。

あの時は大したことないだろうと思っていたけど、それとなにか関係が.....?

そんなこんなで色々考えていたら、急に佐藤探がマスクとメガネをはずしだし────


!?!?


脳天に衝撃が走った。テニスコートとこちらには距離が少しある。が、それでも分かるくらい佐藤探は美少年だった。なんか肌が白くてKーPOPのアイドルみたいだ。しかも背中をいつも丸めていて気づかなかったが、めちゃめちゃ身長もでかい。


もっと近くで見たい。


本能的にそう思った。頭が混乱している。だが衝撃の事実はこれだけにはとどまらなかった───


────────────────────


こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。質問等もお待ちしております。

毎日投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。

これからも『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る