異世界転移

 怖い話をしようと思います。これは僕の実体験です。


「異世界に転移をして世界を救ったんです」

「はあ」

「信じてませんね?」

「いえ、信じてますよ」

「いや、信じてませんね」

「もう一度、話していただいてもいいですか。信用したいので」

「はあ、まあいいですけど」

「お願いします」

「いいですか、私は異世界に転移して」

「どんな世界ですか」

「こんな世界です」

「なるほど」

「私はそこで誰にも負けない力を手に入れました」

「はあ」

「……なんですか」

「誰にも負けない力ってどんな力なんですか」

「えーっと、誰にも負けない力は誰にも負けない力です」

「なるほど」

「そして暴君を打倒したわけです」

「はあ」


 ミラーガラスの向こうで僕は彼らを見ていました。解読できましたか。僕は隣に座っている女性に話しかけます。すると彼女が解読は出来ませんでした。と答えました。


 以上が僕の怖い話になります。ご清聴ありがとうございました。

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