第34話 ランニング直前
走れ 光速の 〇国〇劇だ…♪
何で目覚ましアラームがサ〇ラ〇戦?
まあ、樹が好きとしか言えない。
スマホで時間を確認すると、まだ朝の5時。
どうりで眠たいわけだよ。
でも、起きて走らないと。遊園地に江菜さんと行く前の朝にランニングしてから、久々体を動かすのが、気持ち良くてランニングを続けているんです。
樹の部屋のはしごを上ったらある天井フロアで、寝ていた僕はそのまま旅行バックに入れているスポーツウェアを取り出し、着替えて顔を洗うためにはしごを下ると、
「お、蓮地もランか?」
スポーツウェア姿の樹がいました。
樹は中学から陸上をやっていて、朝に走り込みをやっています。
「うん、また走り始めたんだ」
「へぇ……なあ高校でもやらないか陸上?俺、お前と走るの楽しくて好きなんだよ」
もの悲しい表情で、樹は言った。確かに中学の時、他の人とも普通に樹は競いあってました。けど、僕に競争を持ちかけることの方が多かったです。
お陰でお互いレギュラー入りできました。
でも、
「ごめん。また、中途半端になると思うから」
「……そっか。仕方ない」
樹は笑顔を向けてくれましたけど、その表情はとても笑っているようには見えず悲しい表情でした。
中学の陸上競技大会でレギュラー入りはしました。けど、その時、僕は依頼も受けてました。
依頼の進展が気になってしまい集中できず、記録は伸びることなく、逆に落ちていきました。それが二年生の時。
悩んだ末、僕は陸上部の退部を選びました。
当然、陸上部の皆からは色々言われました。
樹とも喧嘩しました。
最終的に樹は理解してくれて、時折依頼の手伝いをしてくれました。
本当、その理由を今になって知ることになるなんて思いませんでした。
「樹、ありがとう。幼馴染で親友でいてくれて」
「ま、俺が親友じゃなかったら、友達と依頼でできた知り合いはいても、学校以外で遊ぶ友達はいないもんな」
「うるさい」
樹と僕は互いにゲラゲラと笑いあいました。
「よし、顔洗って、ストレッチしたら走るぞ」
「僕が合わせるから遅れても先行ってよ」
「遠慮なくそうするわ」
顔を洗ってからストレッチを入念にやったあと、軽く腹を満たして、走りに外に出ました。
「お兄ちゃん、樹さん、おはよう」
「おはよう鈴奈ちゃん」
「おはよう。鈴どうしたの?」
鈴がジャージ姿でこんな朝早くにいるなんて珍しい。
「寂しくなったの?」
「えへへ、それもある」
『も』って事はもうひとつ理由があるんだ。
「朝デート?」
「それもいいかも。今日ランだし。明日は日曜日だし行きたいかも。明日はバイト休みだよね」
何で知ってるの?僕、鈴にシフトの教えた覚えないよ。
まさか、勝手に見た?…は鈴はそんな事するとは思えないからないかな。
してたら仕置き。
あ、でも先週の土日に来たときマスターと話してるときがあったからその時かな。
「良いよ。明日デートね」
「やったぁ明日朝デート〜」
ぴょんぴょんと跳ね回り嬉しさを表す鈴。
しっかりと声は抑えてるのに騒ぐような歓喜を感じます。
「それで、今日は?」
「あ、そうだった。遊園地の日の早朝走れなかったでしょ。今日早くに起きれたから走りたくて、えへへ」
「樹、良いよね」
「断る理由がないな」
「あ、遅れても先行ってね」
ぶふっ、と突然樹が笑い吹きました。
誰も予想しなかった言葉だしね。そう思っていたら僕も吹き出していました。
「もぉ、お兄ちゃんも何で笑うの!」
「兄妹だから」
「俺もそう思うわ」
「むぅ〜、もう私先に走るから。お兄ちゃんのバカ、樹さんの同類」
「いや、俺は恋愛バカじゃないからな」
「酷っ!この女性恐怖症の残念イケメン」
ギャーギャーと、でも、迷惑になら無いようにお互いに言い争いながら、鈴はそれをみてケラケラ笑いながらランニングしました。
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