”LINEノベル”の発表から紐解く、「小説」に期待されている事。

作者 橘 ミコト

75

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★★★ Excellent!!!

たくさんの記事を引用しつつ書かれている分析は、非常に読みごたえがあります。

小説投稿サイトが乱立している昨今。
作家として収益を得る道は、本当に書籍化しかないのか。
出版社はこれからどういった方向に舵をとっていくべきなのか。また、とってほしいのか。

そういった内容がわかりやすく書かれております。

「小説のこれから」が気になる方は、ぜひご一読を。

★★★ Excellent!!!

現在出版業界が抱える問題を紐解く素晴らしい作品。
そして、とても分かりやすい。
私達が分かる言葉に置き換えたり、噛み砕いたり、例えたりしてくれているからだ。

作品内で書かれている事は、とても大切で重要で、今後『作品を文字で書く』人にとっては身につけておきたい知識であり、頭に留めておきたい考えであると思う。
ここで要約して説明しても意味ないので、是非本編を読もう。

私自身『本が売れない!』と嘆く人達に違和感を感じるし、『何故これを書籍化するんだ……』と思う事も多い。

その答えの一片が、ここにはある。

今後、作家生活を目指す方々は是非読んでみて欲しい。

★★ Very Good!!

LINEノベルの経緯や現時点の情報がビジネスを含む複数の視点からまとめられており、大変参考になった。情報を整理したうえで、その予測や著者の意見が述べられており、地に足の着いた議論になっていると感じた。

「小説」と「出版」「書籍」を区別して論じていて、私の頭の中を整理してくれたように思う。
カクヨムをはじめとするWeb小説は、たしかに書籍ではないけれど、書籍化を目指す途上(書籍のたまご)のように考えていた。しかし著者の指摘する通り、なにも「書籍」という媒体を挟まずとも収益化することはありえない話じゃない。むしろサイトや著者にとっては、出版社や取次・書店という中間マージンがなくなることで有利になる点もある。そうなった場合に出版事業がどうなるかという問いだけでも、十分に考えさせるものだった。

第17~18話あたりからは、「え、そっちの方向に行くの?」という感想を持ちながら読んだ。
学術書が「安全圏」だという前提で話が進行しているからだ。

私の認識としては、
①そもそも「活字離れ」とはカタい本が読まれなくなっていくことを指していたはず(「重厚」な本は読まれず、手に取られるのは娯楽ばかり、という嘆き。)
参照:津野海太郎『読書と日本人』岩波新書/あるいは、「出版とその時代性」(http://kynari.hatenablog.com/entry/2019/05/14/211437?_ga=2.98093725.320124724.1557391014-1723547606.1539314052#%E6%B7%B7%E8%BF%B7%E6%BF%80%E5%8B%95%E3%81%95%E3%81%BE%E3%82%88%E3%81%88%E3%82%8B%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E4%BA%BA)のカドカワ・ノベルスのところでちらりと書いた。
②学術書は一般文芸と… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

本文における作者様の考察に触れて思うことは、「出版社とはそもそも、何のために誕生した組織形態であったか?」という『原点』を、思い出す必要があるということです。
その理念とは、「才能があるのに、困窮している作家を救済するため」だったはずです。

このように、かつて出版社の経済活動は、『道徳』との両輪でした。
これはアダム・スミスや渋沢栄一も警告した、資本主義の大前提です。
すなわち、両者の足並みが揃わなくなったとき、この場合、出版業界は立ち行かなくなる――
出版不況となっている現状がその証左でしょう。

「いま、売れるもの」を追求した結果、「売れ続けるもの」が残らなくなってしまった。
「作家の青田買い」に気を取られるあまり、「売れ続ける作品を書ける作家」の発掘・育成を怠った結果ではないでしょうか。
明らかな朝三暮四モデルです。

この論考を『他人事』だと気にも留めないのなら、もう表現に未来はないでしょう。