冬乃 空
あの子、すごく幸せそうな顔して寝てるなあ。
右下の前の席でぐっすり寝ている人をみながら
ちょっと羨ましく思ってたりする僕は
講義が終わる。皆荷物まとめて講義室を出ていく。
寝ていた子も友達とお昼を食べに行くようです。
荷物を持って出入口に向かっていく。
ん?なにか落としたような。
「あ、ちょっと、何か落と・・・」
いない。え、はやくないか。少し目を離した隙に彼女達は講義室から姿を消していた。
まあ、同じ講義受けている事だし、また見かけるだろう。そう考え落としたものを拾ってみた。
「定期・・・。ん?なんだこれ。」
至って普通の定期なのだが定期に付いてるストラップに目がいく。犬のマスコットがちくわの様なものを着ている。裏には«ちくわんこ(なると犬)»と書いてある。
「かわいい。」
ふと、声に出してしまってた。
そんな時、部屋の出入口の方向から声がする。
「おーい。ソラー!飯行こうぜ〜!」
僕を呼んでいるのはヘアバンドを愛用してる男。
誰にでも明るくて笑顔で気さくな奴だから人気者だ。
カイリとは小学校からの仲ですごく良い奴なんだ。
ちょっと、俺様気質なところあるけれど…😅
「この間、先輩に教えてもらったんだけどよ。すげ〜美味いラーメン屋が出来たみたいなんだよ。そこ行ってみようぜ?」
「うん、いいよ!じゃあ荷物まとめるから少し待ってて。」
僕も荷物をまとめて講義室を後にした。
落し物は後で届けたら大丈夫かな…?
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