第78話 今日は最高か!

 俺は銀髪の美少女イベントが終わりそれから何事も無く家に到着した。


「ただいまー」


 家に入りキッチンを覗くと母さんが居た。


「あっ、たっくんおかえりー」


「ただいま」


「たっくん」


「何?」


「さっき両隣に引っ越して来た人達が挨拶に来たけど、二軒ともすっごく可愛い女の子が居たんだよー」


「へぇ」


「えっとね。ツインテールの女の子と銀髪の女の子だったよ。来週からたっくんと同じ高校に通うんだって」


「ほほー」


 銀髪の女の子……ふむふむ。


「たっくん、ニヤニヤしてるね。たっくんに恋人が出来るかもね」


「はっ⁉︎ イヤイヤ、お隣さんってだけで恋愛に発展しないでしょ?」


「えー。何が起きるか分からないよー。一目惚れってあるからねー」


「あー、はいはい。もう部屋に行くね」


 俺はリビング入り口のドアから母さんと話をしている。母さんはキッチンで料理を作っている。


「たっくん、手洗い、うがいはちゃんとしてねー」


「了解です」


 俺はトイレで用を済ませて、お風呂の脱衣所で手洗いうがいを済ませて二階の自分の部屋に移動した。


「隣の女の子ね。恋愛に発展は……しないでしょ……俺モテた事ないし……」


 俺は窓越しに隣の家の部屋を見た。カーテンは開いていた。そして隣の家の部屋には人がいた。


 部屋に居たのはツインテールの女の子だった。隣の家の窓はベランダなしの上半身しか見えない窓。


 上半身しか見えないがツインテールの女の子は下着姿だった。ピンク色の下着だ。


 やっばっ! 向こうからもこっち側が見える……でもでも、目を背ける事が出来ない!


 俺が下着姿のツインテールの女の子を見ていると、目が合ってしまった。当たり前だけど……


 ツインテールの女の子は俺と目が合うとニッコリとほほ笑んだ。そして自分の部屋の窓を開けた。


 俺に向かって何か喋っている。俺も自分の部屋の窓を開けた。


「こんにちはー。はじめまして。私はルナ。ルナ・シャーロットって言いまーす。貴方はー?」


 ツインテールの女の子は自己紹介をしてきた。下着姿で! 俺は彼女の下着姿を指摘はしない。本人が隠す気がないものを、こちらから何か言うのは違う気がする。


 俺の部屋の窓も相手に上半身しか見えない。下半身が見えなくて良かった。俺は男の子だからね。女の子の下着姿を見たら自己主張しちゃうよ。


「えっと、こんにちは! 俺は拓海。獅子王拓海でーす」


「拓海くーん」


「なにー? ルナさーん」


「ルナで良いよー。さん付けは要らないし、タメ口で良いからねー」


「分かったー」


 俺の家とルナの家はそこそこの距離がある。


「拓海君の方に今から行っても良いかなー?」


「ん? 俺の部屋にー?」


「そうだよー」


「良いよー。待ってるー」


 俺の返事を聞いたらルナは窓を閉めた。そしてボタン付きのブラウスを着だした。


 ……ふむ。これはもう覗きだな……でもでも……ごめんなさい!


 俺はルナの着替えを見ていた。ルナとまた目が合った。ルナは笑顔で手を振ってくれた。


 かっ、かわいい! 今日は人生最高か! 金髪の美少女に始まり、銀髪の美少女、そしてツインテールの美少女ルナ!


 そのルナが俺の部屋に今から来る! 女の子が部屋に来るなんて! 夢のようだ。女の子が俺の部屋に来るのは初めての事!


 俺は部屋を見渡した。整理整頓は常にしている。大丈夫だ! さぁ、ルナちゃん。バッチこーい!

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