第67話 コン様と更に仲良くなりたい
コン様は自分があの時の一年生だと言った。と同時に手の動きが早くなった。俺は話しが出来る状態ではない。
「あぅ! ——あふっ! あっ、あの時のぉぉぉ、一年生がコンしゃま! ——ひゃう! ちょっとタイムゥゥゥ」
「そうなのじゃ。振られて、
コン様の手の動きが止まった。だけどコン様の手はアレから離れない。
「はぁ、はぁ……ふぅ。えっと、あの時のコン様は三つ編みの二つおさげの黒髪で、黒縁眼鏡の女の子でしたよね?」
「そうなのじゃ。あの時は目立たないように、あの姿だったのじゃ」
「ごめんなさい。あの時のコン様は俺の好みではなかったのと、他に好きな子がいたので……」
「そうなのじゃ。見た目で失敗したのじゃ。他に好きな子がいたのは問題ではなかったのじゃ。お主は単純にかわいい女の子が好きなだけなのじゃ」
「……そうですね。今の姿のコン様から告白されていたら即オッケーでした」
「そうじゃろ? 今はお主の理想的な女の子の姿なのじゃ」
コン様はアレから手を離し、俺の真横の布団に座って現れた。コン様の着ているコスプレ着物は、腕にかかっているだけで前が丸見え。着ていないのと同じと言っても良い。
俺は体ごとコン様の方を向いた。
「あの……コン様……」
「ん? 服なら着せたのじゃ。甚平じゃが似合っているのじゃ」
「いえっ、あの……」
コン様がアレから手を離した直後に俺は甚平を着ていた。おそらくコン様が創造したのだろうと思った。
「ふふん。分かっているのじゃ。
「……はい」
「残念じゃが、それは無理なのじゃ」
コン様は俺の目の前で立ち上がった。
「
俺はじっくりと確認した。たしかにない。触って確認もした。コン様は奇麗なツルツルお肌だ。胸の突起物もなかった。
コン様はほぼ脱げていたコスプレ着物を着なおして、布団の上に女の子座りで座った。
「さて、そろそろ本題に入るのじゃ。お主もスッキリしたはずなのじゃ」
「地獄の苦しみでしたよ」
「じゃが、お主はまた同じ事をされたいと思っているのじゃ」
「うっ……えっと……その……コン様。またお願いします!」
俺は封印していた土下座をした。
「ふむ。またしても良いのじゃ」
俺は頭を上げ、足を崩した。コン様は嬉しそうにしている。
「ところで、コン様はなぜ俺に告白したのですか?」
「それは好きだからに決まっているのじゃ」
「えっと……俺は英雄王だったとはいえ人族ですよ? コン様は古代神様ですよね?」
「そうなのじゃ。
「ですよね」
「誰かを好きになるのは理屈ではない……と言いたいのじゃが、ちゃんと理由があったのじゃ」
「理由? 何ですか?」
「ふむ。人族には隠された能力があるのじゃ。お主に触れて分かったのじゃが、拓海、お主の能力は《異種族にモテる。同族にモテない》の珍しい二つ持ちだったのじゃ」
コン様は俺を見つめている。コン様の見た目が俺の超どストライクなので、胸がキュンキュンする。
「それって珍しいのですか?」
「二つ持ちは珍しいのじゃが、能力自体はありふれたものなのじゃ。ただし、その効果が最大の《極み》だったのじゃ。
「……だから人にモテたことが無かったのか……コン様はその能力の影響を受けていると知ってどう思っているのですか?」
「ん? 別に構わないのじゃ。
「そうですか……それでルナたちも俺のことを好きになったのか……」
「別に悩むことはないのじゃ。お主の能力の効果は極み、とはいえ影響力は個人差があるのじゃ。それに誰かに好かれるのは良いことだと思うのじゃ……人族にはこれからも全くモテないのじゃが……ププッ」
コン様は口に手を添えて笑った。俺も自分の隠された能力で悩まない事にした。むしろ有り難い能力として受け止めた。
コン様と話をしていたが俺は我慢の限界だった。コン様を見ているだけで胸が張り裂けそうになる。
「——俺、コン様と更に仲良くなるのが諦めきれません!」
「……はぁ。この姿は封印なのじゃ。お主には刺激が強すぎたのじゃ」
そう言ったコン様は、俺に足を向け布団に仰向けに寝転んだ。
「仕方ないのじゃ。今回だけなのじゃ。お主と更に仲良くなってやるのじゃ」
「だけど、アレはなかったですが……」
「
「それってつまり……」
「お主の望んでいるアレを追加できる…………ほれ、追加したのじゃ」
コン様は俺に、アレが見えるような動作をした。コン様に無かったアレがあった——
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