107話.探り合い
「悪魔王と6人の悪魔か……
まさか七つの大罪ということなのか?
キリスト教とかこの世界にあるとは思えないんだけどな……
ホントになんでもアリな世界だな……」
クロムはサタンたち7人の悪魔を見ながらそう呟いた。
すると、アキナが不思議そうな顔でクロムに尋ねるのだった。
「キリスト教? 七つの大罪??」
「あぁ……、俺が昔いた世界にある宗教とその宗教の聖書に書かれている悪魔の親玉たちのことだよ。
人間を罪に導く可能性があると
「ってことは、本来想像上の存在でしかない七つの大罪の悪魔が具現化された存在…… ということ??」
「カルロにしては理解が早いじゃん、このなんでもアリな世界ならきっとそういうことなんだろうなとね」
クロムたちがそんな会話をしていると、7人の悪魔のうちの一人がクロムたちに向けて突撃を開始したのだった。
「きさまら!!!!!!
偉大なるサタン王様を無視するとは
激怒しながらそう叫ぶ男は、クロムたちに突撃しつつ巨大な火球を放った。
「火の魔術ですか……
火の魔術で我が負けるわけにはいきませんね」
火の魔術に強い
ビネガは悪魔の放った火球の倍ほどのサイズの火球にて、迎撃を試みたのだった。
そして、ビネガの放った火球が悪魔のそれを飲み込むかと思われた瞬間、二つの火球はぶつかり共にはじけ飛ぶこととなった。
「ま、まさか…… 我の火球があんな小さな火球に吹き飛ばされるなど……」
「ほぉ、面白い! 俺の火球に対抗できる火の魔術師がいるとはな!!」
両者正反対の反応を示す中、クロムは先ほどの火球の衝突を冷静に分析していた。
「落ち着けビネガ。
この結果は当然だぞ、あいつの火球は圧縮された熱量がお前の倍ほどの火球だったからな」
クロムは右手でビネガが放ったものと同等のものを、左手で悪魔が放ったものと同等のものを生成し、その2つを悪魔に対して放った。
クロムの行動に驚いたその悪魔は2つの火球に対して全力の業火を放つことで対抗しようとしたのだった。
「ハァハァハァ……
バカな…… このようなふざけた攻撃をできる人間など……」
満身創痍になりつつもなんとかクロムの火球を防いだ悪魔が動揺を隠せずに何かをつぶやいたがそれが最後まで言葉になることはなかった。
なぜならその悪魔の首と胴体は分断されたからだった。
「まったく…… 主はますます化け物じみた強さになってますね。
どうやって首まで
「別に、普通に弱ってるところに風魔術を放っただけだぞ。
そんなこと言ってると本当に俺が全部やっちゃうからな?」
クロムがそうやってビネガを
「あははははは!
まさか
少し興味が湧いてきたぞ!!」
サタンはそういうと不気味な笑みを浮かべるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます