第153話 残りの冬休みはきょうだいで過ごします
デイモンがプニプニの肉球でエマの頭を撫でる。
「エンマ、3日後の午後に迎えにきますからね。」
残りの冬休みをテオとニナと3人で過ごすため、テオとニナの家にエマを送ってきたデイモンが何度も振り返りながら帰ってゆく。
「エマ、寒いだろう。早く入って。」
「もう少し。」
何度も振り返るデイモンにいつまでも手をふるエマ。
ピリピリするテオを睨むニナ。
「ごめんなさい、テオ君もニナちゃんも寒かったでしょう。付き合ってくれてありがとう。」
「いいのよ。」
どす!
ニナが小さくテオの腹に裏拳をいれる。
「ぐ!…エマ、寒かっただろう。いまミルクティーを淹れるから座って…。」
「ありがとう、テオ君のミルクティー大好きです。」
「エマちゃん、源氏の里はどうだった?オシャスタグラムの写真をみたけど、街並みも着るものも随分違うのねえ。」
「はい!あの着物はダモが縫ってくたのです、源氏の里ではみんな着ていました。とても暖かかったです。おせち料理は
――― ダモダモダモ…、エマはデイモンの影響を受けすぎだぞ!
テオが悔しそうだ。
「食べ物も違うのね。」
「市場の食べ物、美味しかったです。いろんなものを少しずつ食べられて楽しかったです。」
「俺たちは鴨鍋が気に入ったんだぜ!」
「鴨肉の薄切りと鴨肉のお団子を野菜と一緒にぐつぐつしたんです。」
「デイモンさんが、鴨肉を沢山お団子にしてくれたの。私やジジにはお団子の方が食べやすいだろうからって。美味しかったわ~。」
「ジジ君とマリーちゃんも鴨鍋が好きになったみたいです。エンマも大好きです。」
「楽しく過ごせて良かったわねえ。」
「はい!あ、そうだ。」
エマがインベントリから青野菜をどさっと取り出す。
「すごいわね、どうしたの?これ?」
「あのね、みんなで神社にお参りにいったら
「あら、随分久しぶりだったのじゃない?会えて良かったわね。」
「はい、それでニンサル様が青野菜をたくさんくれたのです。晩御飯にみんなで食べたら、じいじの肩こりが治ったり、ダイちゃんがお肌プルプルになったとか言って…。」
ガシ!
「エマちゃん!それ本当!?」
「に、になちゃん・・・?」
ニナの勢いがちょっと怖かった。
「ニナ、そんなに強くエマの肩を掴んではだめだよ。」
テオがエマを抱き寄せる。
「ご、ごめんなさい。つい。」
「えっと、誰にでも効果がある訳じゃないみたいです。ちよ子ちゃんや
「そ、そうなの。」
ニナが少し落ち着いた。
「でも、ニナちゃんが気に入るかもしれないから残りはニナちゃんにお土産にしたらどうかってダモが。」
「デイモン君、ナイスだわ!」
「煮ても生でも良いみたいです。続けるならスムージーにしてインベントリに入れておくと良いんじゃないかって、ダモが。」
「デイモン君、ナイスだわ!テオ!」
「スムージーにしようか。」
「ありがとうテオ!お土産ありがとうエマちゃん!」
――― ニナが喜ぶならいいんだ。しかしデイモンめ…、エマのみならずニナの機嫌まで取りに来るとは…今年は昨年以上にしっかりとエマとの仲を邪魔をしていかないと。
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