第148話 家族で迎える大晦日

「ただいまです!」

夕方、源氏の里観光を満喫したエマが帰宅した。

「おかえりなさい、エンマ。」

エマの気配を察して少し前から玄関で待ち構えていたデイモンが嬉しそうだ。

「楽しめましたか?」

「はい!面白いお店や美味しいものでいっぱいでした!」

「お腹いっぱい食べられましたか?」

「満腹なんだぜ!」

「どれも美味しかったわ~。」

ジジ&マリーも満足そうだ。

「それは良かったです。」

「人がいっぱいで困ったんだけど、ひかるさんがずっと抱いててくれたの。」

「パパ、ありがとう!」

マリーやエマからの感謝にひかるも嬉しそうだ。

「ふふ、どういたしまして。」

しかもかおるやダイアナの目が届かないのを良いことに、ひかるはレティとカールに好きなだけ肉を食べさせた。

レティフェンリルは昨日、ひかるにブラッシングされたことを忘れたようだ。飼い主大好き!なワンコの視線になっている。カールフェンリルも婿殿大好き!な視線だ。

ワンニャン大好きなひかるの理想のお出かけだった。


食べて遊んだ分、お正月の飾りつけや掃除を頑張った。

レティは庭仕事で活躍した、見た目は美女だがフェンリルなだけあって力持ちだ。

大きな丸太をひょいひょいと持ち上げていた。


「たくさん働いたので、お腹が空きましたね。晩御飯は年越し蕎麦ですよ。」

暖かい天ぷらそばに、いろいろなてんぷら。お節作りで余った材料をすべて揚げちゃいました!なメニューだったが美味しかった。


「エンマ、今日は12時まで眠りませんから…。」

真っ赤なお目目で船を漕ぎながら眠らないと頑張るエマ。ジジ&マリーは、あとで起こしてと言って眠ってしまった。

「エンマ、エンマも少し眠っても良いんですよ。ジジ君やマリーちゃんみたいに。12時になる前に起こしてあげますから。」

エマを抱っこしたデイモンが言い聞かせるが、エマは眠らないという。

「いやいやするエマちゃんも可愛いな。ねえむらさきちゃん、来年はエマちゃんに妹が生まれるといいね。」

あっちもこっちもラブラブだ。


昼間お出かけしてはしゃいだエマは、普段よりも早く眠ってしまい11時30分ごろにデイモンに起こされたが寝ぼけており、年越しを覚えていなかった。

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