第22話 メイと才蔵の結婚式
今日は才蔵とメイの結婚式だ。
滅多に子供の生まれない魔界ランドではページボーイやブライズメイドという役割はないのでエマも招待客の一人として出席している。
デイモンお手製の水色のワンピースが似合っている。
「メイちゃん綺麗ですねえ!」
「メイの故郷の衣装ですね、白無垢というものだそうです。才蔵さんの衣装は黒五つ紋付き羽織袴というものだそうですよ。」
小さな羽をパタパタさせながらデイモンと同じ高さでホバリングするエマ
「二人とも似合っていますね!」
「民族衣装ですから、ぴったり決まりますよねえ。」
式の後は立食形式のガーデンパーティーだ。メイは着物をリメイクした華やかなドレス姿だった。
「メイちゃん、とっても可愛いですね!」
「おめでとうございます。」
「ありがとうエマちゃん、デイモン君。」
「とっても素敵です、メイちゃんに似合っていますね!」
デイモンが隣でうんうんと頷いている。
「ありがとう、二人ともゆっくりしていってね。」
メイと才蔵は挨拶で忙しそうだ。
「エンマ、せっかくだからいただきましょう。穴子ですよ、はいあーん。」
あーん。もぐもぐもぐ・・・美味しいです。
パーティーでは立食でも食べやすいお寿司が中心のメニュー構成だった。
ホバリングするエマに給餌するデイモンという組み合わせは実に可愛らしかった。
「エンマ!二人の退場ですよ、お見送りしましょう。」
才蔵がメイをお姫様抱っこで退場した。
「いいなあ、エンマもお姫様抱っこしたいです!」
デイモンの耳がピコンと立った。
「さあ、どうぞ。」
エマに向かって両手を差し出す。
「うん!」
元気よくデイモンの手を取るエマ。
ころり。
エマが小さくてお姫様抱っこにならなかった。
「これ違います!」
理想と違うと抗議するエマ。
これでは、まるで揺りかご抱っこである。
せっかくのお祝いの日に癇癪を起こす訳にもゆかず、ぐぬぬぬぬと堪えるエマだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます