文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
女神の如き魔法少女が希望も絶望も超える人間の最も深い感情で闇堕ちして妖艶系魔法少女になっても中身はモブキャラの俺のままなんだからあんまり関係ないよね?
女神の如き魔法少女が希望も絶望も超える人間の最も深い感情で闇堕ちして妖艶系魔法少女になっても中身はモブキャラの俺のままなんだからあんまり関係ないよね?
異世界生活百六十八日目 場所ギシュヌムンアブ遺跡
最後の迷宮は連戦に次ぐ連戦で、
ギミックを理解した上でも一時間以上掛かり、「ゲームは一日三十分/一時間」の時代には攻略が不可能に近かったクリスタ●タワー並みにとにかく面倒だった。
まあ、ここに出現する敵は本来は化け物クラスばかりで、長い上に強敵の連戦が続くという厄介極まりない場所なのだろうが、流石に白崎勇者パーティにとってはそこらの雑魚敵となんら変わらなかった……そりゃ、比較する方が悪いよ。
さて、そんなこんなで二、三時間掛けて迷宮エリアを進み、遂に魔方陣のある迷路の中心部に到達した……この迷路、中心部に向かっていく作りなんだよね。まあ、中心部に行けるルートは一本しかない上に、一部通路は魔方陣を利用してワープしないといけないんだけど。
到着した場所はウルシャナビ、ギルガメッシュ戦と同じエパドゥン遺跡の最奥を彷彿とさせる場所。
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NAME:シャムハト=アウィールシュゴルツ
LEVEL:99999999(DESPERADO)
HP:99999999/99999999(+999999)
MP99999999/99999999(+999999)
STR:99999999(+999999)
DEX:99999999(+999999)
INT:99999999(+999999)
CON:99999999(+999999)
APP:4900(+999999)
POW:99999999(+999999)
LUCK:99999999(+999999)
TITLE:【
SKILL
【全属性魔術】LEVEL:MAX(限界突破)
→全属性の魔術を使えるようになるよ! 【全属性魔法】の上位互換だよ!
【物理無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→物理を無効にするよ! 【物理耐性】の上位互換だよ!
【衝撃無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→衝撃を無効にするよ! 【衝撃耐性】の上位互換だよ!
【魔法無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→魔法を無効にするよ! 【魔法耐性】の上位互換だよ!
【状態異常無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→全ての状態異常を無効にするよ! 【状態異常耐性】の上位互換だよ!
【即死無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→即死を無効化するよ! 【即死耐性】の上位互換だよ!
【因果無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→因果干渉を無効化するよ! 【因果耐性】の上位互換だよ!
【神魔眼】LEVEL:MAX(限界突破)
→あらゆる視覚スキルの究極体だよ! 【視敵】、【俯瞰視】、【暗視】、【千里眼】、【照魔鏡の瞳】、【心眼】、【邪眼】、【魔眼】、【瞳術】、【透視】、【動体視力超化】、【看破】、【過去視】、【不確定未来視】の上位互換だよ!
ITEM
・
→マルドゥーク文明の叡智を結集して作った究極の魔法書だよ! マルドゥーク文明が手に入れた全ての魔法が書かれているよ! 魔法書と契約を結んだ人は自分のステータスが見えるようになってポイントを使うことでステータスポイントを上昇させたり魔法書のスキルを獲得できたりするよ!
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真紅のスリットの入ったマーメイドドレスに赤いとんがり帽子を合わせた妖艶な魔女風の見た目だが…………ギルガメッシュとウルシャナビと対等に渡り合っている訳だから、ただの妖艶なお姉さんじゃねえよな、明らかに。
「エレシ、解説よろ」
【あ〜、あの人はね。面倒くさい人だよ。ドSと熱血と戦闘狂という難儀な性格で部下からは恐れられていて、何人も男性の部下の心を折ったみたい。通称、
……うちのAIの闇が深過ぎる件。深淵か?
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ATTENTION
このAR空間でHPが0になった場合、部屋の外に転送されます。一度敗北後、一時間は再挑戦できません。
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開始早々、魔法書――
嫌な予感を察知した俺は、超因果魔法少女化せずに【流轉の理】を限定発動。
俺の存在が世界から消えた瞬間。数秒前に俺がいた場所に《概念魔法・終末銀渦》が発動された。
やはり、《概念魔法》も使えるのか……しかも、その扱いはフェアボーテネよりも遥かに上手い。座標指定の《概念魔法・在天》と組み合わせることで回避不能の攻撃と化している……【流轉の理】を発動しなかったら今ので死んでたか、大打撃を受けていたな。
戦闘力はフェアボーテネよりも遥かに上、たった一系統の魔法でこれほどなのだから、エヒ●ルジュエよりも厄介と考えた方がいいかもしれない。
【流轉の理】を解除して《概念魔法・終末銀渦》を回避。
《概念魔法・在天》による座標指定と空気中の魔力を干渉を利用し、発動したのは《時間干渉系拘束魔法・クロノスレストレーント》。
空気中の魔力の流れが変わった気がしたのは、一帯の魔力を支配することでその領域を操る力を発動したからだろう。……マ●ゾーンみたいだな。
通常、魔法の発動には大気中から取り込んだ魔力を消費する。ステータスに表示されているMPというのは魔力を体内に保有できる最大の量と現在保有している量で、【無限の魔力】というスキルは際限なく魔力を無から生み出すことで無限の魔力を獲得するというものだ。
異世界カオスや異世界ガイアにおいて、魔法は内にあるものを使うものであり、スキルも内にある魔力を消費することを前提に作られている。
しかし、この大気中の魔力への干渉――マナフィールドは目を向けられなかった外の魔力に目を向けたものということになる。
際限なく無から魔力を作り出す必要はない――大気中には未だ手付かずの魔力が大量に存在するのだから。
これがシャムハトの生来の力なのか、
なかなか興味深いな。……流石はマルドゥーク文明の叡智、神代魔法だけじゃない。
「【虚空ト異界ヲ統ベル創造ト破壊之究極神】」
【虚空ト異界ヲ統ベル創造ト破壊之究極神】で時空間支配を発動し、時空の支配権を掌握したところで《時間干渉系拘束魔法・クロノスレストレーント》を無効化。
「【流轉の理】」
続いて【流轉の理】を発動して超因果魔法少女カタリナ=ラファエルに変身し――。
「その愛は身を焦がすほど燃え盛り、我が高潔な純白を黒く染め上げる――【究極之愛ト惡魔之神】」
超因果魔法少女に変身した状態で【究極之愛ト惡魔之神】の漆黒の愛を重ね掛けし、その身を黒く染め上げる……ってか、いっそのこと融合すれば良かったな。
◆
――女神は闇に染められ、悪へと堕ちた。
口述しがたい七色めいた複雑な色合いの髪は漆黒に染まり、純白の二つのリボンは一つが消滅し、残ったもう一つのリボンは桃色に染まり、カチューシャのように髪を纏められている。
容貌はカタリナを彷彿とさせるが、女神と形容するに相応しいカタリナすらも霞むほどの絶世の美貌を有する。瞳は七色めいた複雑な色合いと黄金色のオッドアイ。
深遠な宇宙を内包するような純白のドレスもまた黒く染まり、大胆なカットが入り、清純な女神のイメージから堕ちた蠱惑的な悪魔のようなイメージへと反転している。
手に握られた花の蕾をイメージさせる形状をした、本来は千変万化の杖――“
透き通る
◆
『超因果魔法少女から闇堕ちって一体どこまで強くなったら気が済むんだリプ!?』
……いや、魔法少女に変身しても所詮はモブキャラだよ? いくら強化してもモブキャラの域を出ないから強化できるだけしておけばいいと思うけど。
超因果闇堕ち魔法少女カタリナ=ラファエル――希望も絶望も超える人間の最も深い感情をその身に宿して大きく力を増したと思われる魔法少女であり、魂自体は超因果魔法少女カタリナ=ラファエルと全く変わっていない……だって俺だし。
というか、中身が俺っていう時点で
「“
“
闇が泡立ち、不浄な言葉を圧縮したような、耳にしただけで気が狂いそうな咆哮のような音と共に狂ったように溢れた闇が触手のような形を取り、シャムハトに殺到する。
シャムハトは《概念魔法・神速》と《概念魔法・天動》を駆使して逃げ回っているようだが、既に俺の攻撃範囲は部屋全体にまで及んでいる。逃げたところで勝ち目はない。
“
しかし、そこに【究極之愛ト惡魔之神】の愛の力を纏わせることで、ただでさえ強力な冒瀆物質の触手に更なる破壊力を与えている。
「これで終わりにするわ。……ギルガメッシュ、ウルシャナビ、シャムハト……データではない本物の貴方達と戦ってみたかったわ」
ギルガメッシュもウルシャナビもシャムハトも、戦えるのは過去の幻影――かつての戦いの戦術を、三人が取りそうな戦法を記録して再現しているに過ぎない。
そこに三人の思考は当然含まれない。
やはり戦うのなら意識の通った相手がいい。どんな反応をして、どんな想いを魔法や武器に込めるのか。
……やっぱり、俺って戦闘狂なのかな? ただのモブキャラが戦闘狂って……もう、それ相当ヤバい奴だよね!?
「“
弓に変形した“
「とりあえず、大★勝★利!」
……いっけない、キャラ間違えたかも。中身お兄さんなのに痛々し過ぎるよね。ツイデキゴコロデ。
……というか、なんか鼻血垂らして撃沈している男子勢と一ノ瀬とジュリアナがいるんですが、
◆
「ふう、こんな感じかな?」
『こんな感じ……じゃないリプよ! いくらなんでもOVERKILLリプ! 大体、前々から思っていたけど夢と希望を与える筈の魔法少女が名状し難くも恐るべき宇宙の原罪そのものの名を与えられた杖を使って、まさに飢えと退屈に悶える白痴の魔王のような攻撃をしている時点で絶対におかしいんだよ! もっとキラキラした技を使えないのか!!』
クリプよ、どんだけ魔法少女に夢を持っているんだよ。
そもそも、某魔法の国産の魔法少女はどいつもこいつもリアルの影を引いていて、砂上の楼閣な魔法の国の最初の魔法使いの弟子達の内輪揉めと変態とお嬢と瑠璃の魔法少女一派と戦闘狂の思惑が混ざって、関係ない被害者達が生き残ったり死んだりしているし、インキュ●ーター産の魔法少女に至ってはただエネルギーを生み出すための装置だしね……ってか、要するに一昔前の君達――情報思念体フリズスキャールヴがやっていたことだよね? って感じで、基本的に魔法少女に希望はないと思うけどな。まあ、ピックアップしているものが悪いだけって説もあるけど。
まあ、未だかつてブルーメモリアと紅葉に匹敵する魔法少女関係の黒幕はいないし、アイツらは絶対に許せないけど……でも、あの二人の互いに互いが必要な比翼連理みたいな関係には憧れを抱いたし、ブルーメモリアや紅葉と別の出会いをしていたら、いいお友達になれたと思うんだよね……ああ、イヴとカンパネラは無理だよ。アイツら絶対に会話が成立しないから。
「別にいいんじゃない? ほら、白痴の王の化身が見た目だけは可愛らしいけど中身が壊滅している恋に盲目で白痴幼女な思考回路がショートしている奴もアザトースの化身だったし」
『まあ、別に本人がいいなら別にいいリプけど。……まったく、夢もキボーもありゃしない』
今の、発音的に知っていてあえて使っているタイプだよな。……お前、実は魔法少女オタクなマスコットじゃなくてアニヲタなマスコットだろ??
「それじゃあ、魔法陣も出たことだし行きますか」
あっ、オメガギアや
後でじっくり解析するとしよう……複製して片方食べるってのも手かな? できるかどうかはやってみなくちゃ分からない、だけど……科学実験ではないかな。
さて、魔法陣を潜った先だが、他の三遺跡と同じように無数の箱が網の目のように繋がれている中央制御ルームのような場所だった……一部を除いて。
無数の箱のうち、三つだけがその他の箱から独立して、一台のデスクトップパソコンみたいなものに繋がれている。固定のディスプレイが存在せず、中央制御ルームの中ならどこからでもネットワークに接続できるマルドゥーク文明の技術からすれば明らかに劣っている。
だが、間違いなくこのデスクトップパソコンこそ、数多の者達が求め、しかしついぞ手に入れることができなかった秘宝――名を忘れられ、YGGDRASILLと呼ばれてきた超理論コンピュータキスカヌ。
「どういうこと、なの? 草子君、マルドゥーク文明ってあたし達の世界よりも技術が発展しているんでしょ? なんで、こんなデスクトップパソコンが置いてあるのよ?」
まあ、聖の疑問はもっともだ。すぐ隣にはマルドゥーク文明を象徴する固定のディスプレイや物質のキーボードを必要としないマルドゥーク文明のパソコンが置いてある訳だし、そう考えるのも無理はない。
……ちょっと考えれば分かることだけどね。
数十年に及ぶハッキング戦を経て、マルドゥーク文明が勝てなかった異世界カオスの黒幕……いや、先住民、或いは
その正体不明の
一方で、マルドゥーク文明も長年争ってきた相手が簡単にバックドアを渡してきたことに違和感を抱いた筈だ。だからこそ、マルドゥーク文明のネットワークに直接接続せずに、〈
それこそが、超理論コンピュータキスカヌの正体。
【草子さん、エンリがシステムの中に入ってキスカヌを起動しましょうか?】
「いや、エンリ達はあのネットワークに接続しないでくれ。……アイツらにいらない情報を与えて得をさせる訳にはいかない」
エンリを制し、手動で超理論コンピュータキスカヌを起動する。
「草子君、どういうことなの? その超理論コンピュータキスカヌはマルドゥーク文明のものよね? そのマルドゥーク文明が滅んだんだから、誰も情報を得ることはできないと思うのだけど」
「そういえば、白崎さん達には話していなかったっけ? この世界にはヴァパリア黎明結社なんて目じゃない、真の黒幕がいるんだよ」
俺は別に白崎達が知る必要があることではないと思っていた。そもそも、アイツらは本来敵対するべき相手じゃない。
これまでの敵とは本質的に異なる――簡単に言って仕舞えば、異世界カオスそのものなのだから。
「別に黒幕といっても悪い人達じゃないよ。……あくまで一般論に照らせばというだけであって、俺からすれば敵も同然だけど。でも、戦う必要はないから俺も見逃すことにした。俺達は向こうの思惑に乗せられて踊っているだけに過ぎない。でも、向こうのシナリオからはかなり外れているだろうし、俺も敵対せずに済むならそれでいいと思った」
「…………随分腑抜けているな。敵ならば倒せばいいだろう? ヴァパリア黎明結社のように」
全く、インフィニットは短絡的だな。なんでも切り刻めばそれで済むと思っている。
「俺も連中に踊らされるってのは正直不本意だ。でも、俺が異世界カオスで出会った大切な人々の命を人質に取られているも同然なんだ。それに、相手は俺の平穏を、地球での日常をぶち壊してくれたが、自力で帰還するなら邪魔はしないという言質も取れている。つまり、表立って敵対する必要はないんだよ。少なくとも今は、な。もし、仮に再び俺の平穏をぶち壊すのなら、この世界に再び招くというのなら、その時は連中の息の根を止める。一応、それも視野に入れて対黒幕共用の作戦も練ってあるんでね。……ただ、その必要は今はないってだけさ」
「…………誰なのよ! その黒幕って。その黒幕が私達をこの世界に召喚したんでしょ!? 確かに、私達はこの世界で草子君と再会して変われた……でも、嫌な思いと沢山した。岸田さんともう会えないんじゃないかって思った。……私達にもその黒幕の名前を知る権利はあるわよね。……確かに、草子君が一人で情報を集めたもので、その上澄みを掬うってのは厚顔無恥かもしれないけど、でも、私は知りたい。私達をこの世界に召喚した者達のことを――」
柴田、そこまで言わなくてもちゃんと教えるよ。
そうだよな。運命を狂わされたのは俺だけじゃないよな……。
「黒幕共って言った通り、黒幕は最低でも二人以上いる。そして、一人はここにいるメンバーのほとんどが既に知っている。最初に疑問に思ったのは、異世界転移という大きな儀式を行いながら、目的もないに等しい、挙句ランダムに転移させるという杜撰過ぎる方法だった。いくら老害でも、折角転移させたのにすぐ死んでしまっては意味がないことぐらい分かるだろう? あの転移には謎が多過ぎた。とてもボケ老人という言葉では説明できないくらい。そして、俺は老害――ヴォーダン=ヴァルファズル=ハーヴィについて調べた。調べる中で分かったことは意味不明だってことだ。ヤルダバオートの供述で
「…………あのお爺さんが、女神で……この異世界カオスの黒幕」
白崎だけではない、あの老害と関わった
まあ、普通はあれが女神だって考えないよな。正直俺も騙されかけた。あのルーズリーフのメモだって、ただ話し言葉と書き言葉が変化するタイプなんだってくらいにしか思わないし。まさかあれが素だとは……いや、決めつけは良くないか。
「女神コスモスは神界の女神だ。ミントさんやウコン、オレガノさんやトリカブトさんと同じ管轄者の一柱……しかし、在り方は一緒でも明らかに別種だ。ミント達は沢山の信者の信仰の対象で、俺達の世界の宗教の神々と全く同じ――崇められる存在だった。だが、女神コスモスは違う。あれは、決して崇められる対象ではない。一人の願いから生まれた協力者――つまりは神を創り出した者と同等の存在として設計されている。いや、設計というと語弊があるな。女神コスモスと判明しているもう一つの黒幕――
そもそも
異世界カオスに最初に到達した存在にして、この世界の守護者にして管轄者。――まあ、異世界カオスの本当の意味での神のような存在だな。
「
「えっと……草子さんの言っていること、難しくてよく分かりません。どうして世界を絶えず混沌にすることで停滞による腐敗を防ぐことができるのですか?」
「まあ、リーファさんの意見はもっともだ。……まあ、簡単に言うなら流れのない水は濁っていくだろ? それと同じ理屈なんだよ、連中にとっては。例えば、独裁政権を倒すためにレジスタンスを結成して独裁政権を倒すとしよう。……そうしたら、生活は安定すると思うか? 寧ろ、悪化することの方が多い。税が前よりも上がり、前の独裁政権の方が良かったと感じることもそれに比例するのではないだろうか。民の味方として戦っていた筈のレジスタンスは、新政権を樹立すると同時に手のひらを返す。そして、政治は腐敗し、その独裁政権となった政権はレジスタンスに倒される。武力ではなく、投票によって決まる民主主義と銘打ったものでもそれは変わらない。固定された票、予定調和の選挙結果、汚職と金。長く続けば続くほどどんなものでも腐敗する――例え、そのスタートが『日本を今一度せんたくいたし申候』みたいな立派な志だったとしてもな。
一通りキスカヌに情報を打ち込んで検索したが、やはり帰還方法は無かった。
勿論、
そして、調べているうちに面白いものを見つけてしまった。ネットサーフィンってたまに変なところに到達するよな……今回は結果オーライだったけど。
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ファースト・クライシス“叡慧”のマルドゥーク
一度目は叡智を携えた魔導科学文明。世界の壁を突き破った厄災。
セカンド・クライシス“神軍”のアウターゴッド
二度目は異なる世界の神々。文明を壊すために招ばれた厄災。
サード・クライシス“黎明”のヴァパリア
三度目は結社。概念を捻じ曲げる存在を父に持つ男が生み出した大組織。
フォード・クライシス“終焉”のノストラダムス
四度目は堕ちた創造神。終わりきったものの残滓にして生への未練そのものの存在。
フィフス・クライシス“電脳”のフリズスキャールヴ
五度目は形を持たない生命体。魔法少女という存在を創り出した厄災。
シックス・クライシス“開闢”のクレアシオン
六度目は超因果と化した魔法少女。カオスに招かれたフリズスキャールヴへの切り札。
セブンス・クライシス“即死”のテトラ=カルタ
七度目は死の権化。アルファにしてオメガなる者。五度の転生を経て六度目の生を生きる世界の理を外れし存在。
エイス・クライシス“異端”の能因草子
八度目は運命の特異点。対結社の切り札にして前代未聞の厄災。事象モブキャラ。
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「おーい、犯人が自供しているぞー。全部私達がやりましたってな。ファースト・クライシス“叡慧”のマルドゥーク、マルドゥーク文明を滅ぼすために、『神格召喚の手段』という古代魔法書を搾取される側に回ったマルドゥーク文明の者達、或いは先住民か? どっちか分からないけどそいつらに渡してセカンド・クライシス“神軍”のアウターゴッドを攻撃したのも、異世界カオスに現れたフィフス・クライシス“電脳”のフリズスキャールヴを滅ぼすためにシックス・クライシス“開闢”のクレアシオンを召喚したのも、全て
『…………いくらなんでも酷いリプ。確かに、僕達は沢山の未来ある少女達を魔法少女に、人外の存在に変え、心が擦り切れるまで使い潰した。分かっているリプよ、裁かれるべきは僕らだって……でも、世界に入ってきた異物だからというだけで、クレアシオンを強制転移させたのはあまりにも身勝手リプ。僕らにだってやり直せたかもしれない……でも連中はその機会さえ、弁解する余地なく異物として処分した。それに、クレアシオンだって僕達を倒し、〈
「クリプ、それだけじゃない……連中の身勝手な
俺は正義の味方なんかじゃない。結局は、「地球に帰りたい、浅野教授とゼミ生達の元に戻りたい」というエゴのために戦ってきた、
今回は
だが、次はない。平穏を取り戻した俺をもう一度この世界に呼んだ時――その時はお前らをぶっ潰して、
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