文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
真祖の吸血鬼と不定形の金属生命体の相性は最悪のようだ。
真祖の吸血鬼と不定形の金属生命体の相性は最悪のようだ。
異世界生活百四十五日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、ピュレフォフの大森林
――ギィギギギギ!!
「ちょ、いきなりどうしたの! 草子君!!」
百キロ超えで森を爆速、からの急ブレーキだったので、流石に
今の衝撃で起きたらしい聖が眠気眼でジト目を向けてきた。
「って言われてもな。この状況下で突っ込める訳がないだろう?」
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NAME:フェールム=フェリエス
LEVEL:800
HP:500000/500000
MP:500000/500000
STR:400000
DEX:300000
INT:300000
CON:300000
APP:1200000
POW:300000
LUCK:1000
JOB:
TITLE:【魔王軍幹部】、【
SKILL
【吸血】LEVEL:600
→吸血するのが上手くなるよ! 血を吸った相手を下級吸血鬼にして眷属にするよ! ヴァンパイア固有スキルだよ!
【魅了の魔眼】LEVEL:600
→魅了の魔眼を得るよ! 【魅了】の上位互換だよ! ヴァンパイア固有スキルだよ!
【鮮血武装】LEVEL:600
→鮮血を武器に変化させて戦うよ! 血は触れたものを溶かすこともできるよ! ヴァンパイア固有スキルだよ!
【鮮血貯蔵】LEVEL:600
→殺害した相手の血を貯蔵して貯蔵した血を代価にして様々な用途に使うことができるよ! オリジンブラッド固有スキルだよ!
【血ノ狂乱】LEVEL:600
→血を浴び続けると戦闘力が増大する代わりに精神的制御が利かなくなるよ! スキル、魔法は使用可能だよ!
【血契盟約】LEVEL:600
→自身のHPと引き換えにステータスを上昇させるよ!
【究極再生】LEVEL:600
→失った部位を再生できるようになるよ! 再生を利用して複製を作り出すこともできるよ! 複製と意識を共有することもできるよ! 【無限再生】の上位互換だよ!
【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:600
→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!
【掣肘】LEVEL:600
→掣肘が上手くなるよ! 【威圧】の上位互換だよ!
【覇潰】LEVEL:600
→覇潰が上手くなるよ! 【覇気】の上位互換だよ!
ITEM
・銀縁眼鏡
→銀縁眼鏡だよ!
・真紅のドレス
→真紅のドレスだよ!
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NAME:《
LEVEL:10000
HP:100000/100000
MP:0/0
STR:Fluctuation
DEX:Fluctuation
INT:0
CON:∞
APP:Fluctuation
POW:0
LUCK:0
TITLE:【
SKILL
ITEM
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ステータスでも判断できるが、これは魔王軍幹部と《
……しかし、魔王軍幹部フェールム=フェリエスが十二人か……どこぞの賢者な吸血鬼さんみたいに分体を作成できるみたいだな。
だが……相手が悪い。
「草子さん……あれって不定形の金属生命体ですよね? もし、あれが僕の知るものと同様のものなら反物質でなければ破壊することはできないと思いますが……」
「だろうな。特にフェールムとかいう魔王軍幹部とは相性が悪い。血の剣で切ったところで素の金属のスペックだけで無効化できてしまうからな。それに、向こうはあらゆるもの武器に変化させて攻撃をすることができる。まさに不定形の金属生命体――定まらぬ混沌……混沌で思い出したんだけど、【這い寄る混沌】の称号って誰が持っていったんだろうね」
「草子君、そんなに呑気で大丈夫なの! あの
「いや、柴田さん……あれ、分体だから別に本体にダメージが……まあいっか。最初に話を聞いてから狙っていた《
これは、ある意味で俺の超越技の弱点を補う役割を担っている。
その刀身にクーロン引力のみを中和する特殊な魔法を付与することで、ミスリルを超える圧倒的強度を誇る《
「「「「「「「「「「――まさか人間か! こんな時に」」」」」」」」」」
フェールムの分体達がこちらに敵意を向けてくるが柳のように往なす。
そのまま地を蹴り、【究極挙動】を発動し――。
「
予想通り、《
若干消えてしまった部分はあるが、ほとんどの金属の塊が残った……最上級の魔核を使った壊れ武器を使っていたらどうなっていたことか。
《
ちなみに戦闘で更に二人がお亡くなりになって、残り十人になったようだ。
「初めまして、能因草子と申します。アポ無しで来て申し訳ございません。魔王軍幹部フェールム=フェリエス様の分体様でお間違いありませんね? 本日はフェールム様にご用事があって参りました。こちら、書状になります」
「……礼儀正しい人間というのもいるのですね。…………ほうほう……ふむふむ……………………はっ? (ジロリ)……ふむふむ……ほうほう……………………なるほど、分かりました。分かりませんが、分かりました」
うん、分かったのか分からなかったのかどっちなんだろうね。
とりあえず、さっき一瞬ジロリと見られた理由が知りたいな。
「私の本体と情報を共有致しましたので、二度説明をなさる必要はありません。詳しい話は直接城で致したいと思いますので……徒歩で向かわれます?」
「いえ、そこに車を止めているので乗っていこうと思いますが……」
「書状にあった高速で走る鉄の塊ですね。……もしよろしければ私達も乗せていただきたいのですが……」
鉄の塊じゃないんだが……そんな錆びやすい素材では作ってないよ。
「了解です。車内には【空間魔法】を掛けていますので、分体十人くらいなら乗れますので大丈夫ですよ。一応パーティのリーダーに確認を取ってきますね」
「あの、失礼ながら……パーティのリーダーは草子様だと書状には書いてありますが……」
「こんなモブキャラにリーダーが務まると思いますか?」
コテンと首を傾げるフェールムの分体A。……見えないなら見えないってはっきり言って欲しかったな。
◆
異世界生活百四十五日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、魔王領ツァーカブ
「「「「「「「「「「――うっ…………」」」」」」」」」」
分体達は一人も例外なく嘔吐きかけながら出てきた……もしかして吸血姫は車酔いをしやすいのだろうか?
「お待ちしておりました、草子御一行様。私は
そして、詰所でボウ・アンド・スクレープをしている
しかし、ここまで歓迎ムードなのはいつ以来だろう? ……全く関係ない魔族達の視線には明確な殺意が篭っているけど。
……そういえば、侍女の何人かは
「城内までは私が案内させて頂きます」
「よろしくお願い致します」
◆
「ようこそ、私の城へ。……初めて会ったはずですが、初めて会った気はしませんね」
「まさか、本体も同じステータスだとは思いませんでした。……普通はちょっとだけステータスを落とすとか、姿を変えたりとかしますよね?」
「……私と同じ姿、ステータスでなければ意味がありませんよ。私には本体も分体もありません。本体も分体も同じ私ですし、意思の共有も行っているので、どの私が見たことも、どの私が選んだ選択も、結局は私の見聞きしたことであり、選択でありますから」
……結局は一つのフェールムという存在なのか。「私が貴方を殺して本物の私になる」ってことが起きなさそうなのはいいことだね。
「魔王軍四天王にいる可能性が高い裏切り者と暗躍している仮面の者達、魔法少女、《
「
「……物凄い偏見ですね」
「模擬戦は十一人対一でも構いませんよ。模擬戦の中で分体を作られるか、元々分体がいる状態かで戦うかの違いですから。……では、こちらも折角なので新しい力を使ってみますか」
【色慾之神】を発動して何も設定を加えずただ単純にステータスを逆転させる。
「【
……あっ、一ノ瀬が倒れたみたいだ。そして、ジューリアが鼻血を出している……お前らなんなんだ?
【――システム起動。《神代空間魔法・夢世結界》の発動、完了しました。耐性及び無効スキルの無効化、
中空に画面が生まれ、エンリの姿が映し出される。
それを合図に、倒れた一ノ瀬を介抱しているジュリアナを無視して模擬戦が開幕した。
「〝大いなる月の女神よ、今こそ怪しき魔力により、紫紺の灼熱を爆ぜさせよ〟――〝
先制攻撃で発動したのは【火魔法】と【闇魔法】と新たに生み出した【月魔法】の複合で生み出した魔法だ。
紫紺の炎がフェールムの分体を焼き尽す。
「……てっきり
「優しいと思っていられるのは今のうちですよ。〝大いなる月の女神よ、今こそ怪しき魔力により、血の輝きで汝を癒せ〟――〝
血液の弾丸で負った傷を【闇魔法】と【月魔法】と【回復魔法】の複合で癒し――。
「〝大いなる月の女神よ、今こそ怪しき魔力により、漆黒の光で敵を穿て〟――〝
【闇魔法】と【月魔法】の複合で紫紺色の闇のビームのようなものを放った。
ビームを直撃で受けたフェールムだが、流石は
フェールム、残り十六人……あれ? 増えてない!?
「〝大いなる月の女神よ、今こそ怪しき魔力により、月の欠片よ降り注げ〟――〝
間髪入れずに【土魔法】と【月魔法】の禁呪魔法を発動――巨大な月の欠片が降り注ぎ、戦場は阿鼻叫喚の状況になるが、それでもしぶとく生き残るフェールム、残り七人……減ったね、今度は。
「「「「「「「――〈血華刀・血飛沫驟雨〉」」」」」」」
七人で一斉に血の刀から大量の血液を飛ばしてきたか……これ、流石に避けるのは大変だな。
「〝大いなる月の女神よ、今こそ怪しき魔力により、その軛をもって全てを縛れ〟――〝
“
「〝大いなる月の女神よ、今こそ怪しき魔力により、災いの霧を呼び覚ませ〟――〝
そして、地面に這いつくばったまま動けなくなっている七体の分体に【闇魔法】と【月魔法】の複合を掛け、月の瘴気による永続ダメージを付与する。
「「「「「「「【血ノ狂乱】、【血契盟約】!!」」」」」」」
おっ、暴走モードになって無理矢理超重力から這い出てきたか。
しかし、流石は魔王軍幹部。暴走モードで理性が吹っ飛んでいる筈の状況でも無闇に突っ込んで来る訳ではなく、【究極再生】を発動して数を増やそうとしてくる……でも、惜しいな。〝
「
強大な力を持つ
つまり、自由自在に操作できる幻影世界で起きたことは、現実世界で起きたことと同義となり、幻影世界の中では無敵になれるということだ……まあ、その代わり
抜け出す方法は……えっとあったっけ? まあ、多分無いんじゃないかな。
まあ、今回は結界内のこととして処理されるから幻影世界に変わろうとなんだろうとあんまり関係ないんだけどね。
「「「「「「「――〈血華刀・血十字架真紅撃〉」」」」」」」
血の十字架が出現し、俺に向かって放たれる……が、突如現れた壁に阻まれて無力化される。
「《奥の手・虚実反転》の弱点は敵本体と敵が自分の中から生み出したものに関しては操作できないということですが、逆に言えばそれ以外は操作することができる……厄介な能力ですよね。敵にすると」
「……厄介というか、最早勝てる手段が思い当たらないのですが……もしかして、これはミント正教会の秘宝なのでしょうか?」
「いえ、私の私物ですよ? 士気を高めるためには、特徴のないモブキャラの男よりも美女の方がいい……ということで、カタリナの姿で戦わなければならない時があるかもしれませんが、その時に使う装備もそこそこのレベルにしておかないといけませんからね。対ヴァパリア黎明結社にはとても使えませんが、
「…………そうですよね。草子様の私物ですよね。こんな意味不明な武器をミント正教会が持っていたら今頃魔族は滅んでいますよね」
いや、
「このまま戦ってもどうせ負けますから、最後の手を使います!! 「「「「「「――――〈血華激流・真紅冽流〉」」」」」」」
一つの大河に匹敵する血の激流が襲い掛かってきた。壁で防いでも摺り抜けて突破してくるし……どんだけ血液消費したんだい?
青褪めた顔のフェールムから更に血の気が引いているし……あっ、もしかして全ての血液を消費したの?
「――
スキルでもいけるけど、今回は
凝固物だけが残り、血の波は消え失せる……よし、フェールムのネタも尽きたか。
「
俺は
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