文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
絵画能力で見たこともない伝説級の存在を模写すると大幅に誇張されて化け物のような存在が出来上がるようだ。
絵画能力で見たこともない伝説級の存在を模写すると大幅に誇張されて化け物のような存在が出来上がるようだ。
異世界生活百四十一日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国? 悪堕ち魔法少女の結界内
悪堕ち魔法少女の結界の中は絵の具がぶちまけられたような様々な色が混ざり合った奇妙な空間だった。
今回は外側と内側の結界の二重構造になっているようだ……まあ、前回がイレギュラーだっただけの可能性もあるが……。
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NAME:戯画の堕魔の使い魔
LEVEL:100
HP:1/1
ΣΑ:10000000/10000000
STR:1000000
DEX:2000
INT:1000000
CON:1
APP:-500
POW:1
LUCK:60
SKILL
【武器理】LEVEL:9999
→武器使いの真髄を極めるよ! 【片手剣理】、【両手剣理】、【二刀流理】、【西洋剣理】、【聖剣理】、【魔剣理】、【槍理】、【薙刀術】、【片手棍理】、【両手棍理】、【片手斧理】、【両手斧理】、【鎚理】、【鋸理】、【曲刀理】、【短剣理】、【鉤爪理】、【鉾槍理】、【銃理】、【弓理】、【鞭理】、【投擲】の上位互換だよ!
【防具理】LEVEL:9999
→防具使いの真髄を極めるよ! 【盾理】と【籠手理】の上位互換だよ!
ITEM
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今回の使い魔は戯画タッチで描かれた兵士。誇張された兵士の姿はどことなく滑稽味を感じさせる。
武器は剣、短剣、槍、盾、弓――様々な武器を持った兵士達が一斉に襲い掛かってきた。
「【魔法剣・
「
「
「
「
魔法剣を連発して戯画の堕魔の使い魔達を粉砕する。
今回の使い魔は特に旨味がないので無視の方向で。
内側の結界を目指し、入り口のある反対側を目指して走る。
「これは、珍しいパターンだな。……追い出されたのか?」
明らかに三次元の世界にはそぐわない二次元のうさぎの戯画がいた。
結界の入り口を守護するように、俺の前に立ちはだかる。
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NAME:戯画の
LEVEL:1000
HP:100000/100000
ΣΑ:9000000/9000000
STR:10000000
DEX:100000
INT:3000
CON:100000
APP:10
POW:100000
LUCK:10000
SKILL
【戯画の堕魔の呪法】LEVEL:1500000
→戯画の堕魔の呪法だよ!
ITEM
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『キィエキェキェキェキェキェキェキェキェキェキェキェキェキェキェキェ』
奇声を上げると共に2Dうさぎは筆を持ち、何かを書き上げていく。
これは…………トゥーンタッチのバハムート?
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NAME:トゥーン=バハムート
LEVEL:1000
HP:1/1
MP:100000/100000
STR:900000
DEX:10000
INT:100000
CON:100000
APP:10
POW:100000
LUCK:10000
SKILL
【
→竜の爪は全てを引き裂くよ!
【
→竜の尾は全てを砕くよ!
【
→竜の息はあらゆるものを焼き尽くすよ!
【
→竜の鱗はあらゆる攻撃を防ぐよ!
【
→竜の翼はどこまでも飛べるよ!
【
→竜の感覚は全ての生き物の中で最も鋭いよ!
【圧縮強化】LEVEL:1000
→最大二十秒間のエネルギーや現象を数分の一まで激減させて次の同じ秒間でその力を爆発的に解放することができるよ!
【噛み砕き】LEVEL:1000
→噛み砕きが上手くなるよ! 【咬みつき】の上位互換だよ!
【頭突き】LEVEL:1000
→頭突きが上手くなるよ!
【脅嚇】LEVEL:1000
→脅嚇が上手くなるよ! 【威嚇】の上位互換だよ!
【嗅覚】LEVEL:1000
→嗅覚が鋭くなるよ!
【咆哮】LEVEL:1000
→咆哮で仲間に居場所を知らせたり、威圧できるよ! 【遠吠】の上位互換だよ!
【掣肘】LEVEL:1000
→掣肘が上手くなるよ! 【威圧】の上位互換だよ!
【覇潰】LEVEL:1000
→覇潰が上手くなるよ! 【覇気】の上位互換だよ!
ITEM
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トゥーンタッチのバハムートを百体顕現したか……コミカルでバカにしているようだが、戦闘力は本物のバハムートに匹敵する……まあHPはイラストらしく一撃で沈む一桁だが……。
「
バハムート達を次々と飛斬撃で倒し、そのまま戯画の堕魔にも連続で斬撃を浴びせていく。
よし、案外簡単に撃破。それでは、戴きます。
「捕食せよ、【貪食ト銷魂之神】!!」
ふう、ご馳走さま。なんかちょっぴり紙っぽい味がしたがやっぱり不味かった……ってかコイツ紙兎だったのか?
扉をあけて中に入る。中の風景は沢山の絵画が飾られた美術館のような空間だった。
「待っていた。……ここがあなたの墓場になる。〈
〈
……しかし、初代勇者、初代魔王、初代龍王……絵画と伝承しか残っていない存在をよく描くことができたな。
実際に戦場で世界最強の剣士を観察し、写した訳ではないし、ただでさえその人本人が持つ機転、無数の“手札”を想像できないという致命的欠点を抱えているのに、これに至ってはほとんど想像で補っている感じじゃないか。
いや、何も知らないからこそ想像が膨らみ過ぎて本人より強くなっている可能性も十分にあり得るけど。
ステータスは存在しないようだ……マジか。
「嗚呼、神よ! その慈悲を青き光へと変え給え! その御心の光を宿し、遍く邪悪を粉砕せよ。その光で全て暗雲を薙ぎ払い、この世を再び清浄にして聖浄なる地へと戻し給え! その慈悲の一撃を持って遍く罪科と原罪を赦し給え――《
「絶望の闇を宿す聖を滅する魔剣よ! その破壊的な願いを黒き常闇へと変え給え! 全ての光を塗り潰し、魔の者共に平穏を与え給え――《
剣に収束した青い光と常闇が発射される……いきなり最強の技か!!
だが、どちらも五分間聖剣と魔剣が使えなくなる――最初に使う技としては悪手だな。
【転移ノ王】で初代勇者と初代魔王の攻撃を躱す。
「嗚呼、神よ! その慈悲を青き光へと変え給え! その御心の光を宿し、遍く邪悪を粉砕せよ。その光で全て暗雲を薙ぎ払い、この世を再び清浄にして聖浄なる地へと戻し給え! その慈悲の一撃を持って遍く罪科と原罪を赦し給え――《
「絶望の闇を宿す聖を滅する魔剣よ! その破壊的な願いを黒き常闇へと変え給え! 全ての光を塗り潰し、魔の者共に平穏を与え給え――《
『――◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️ッ◾️◾️!! (
……おいおい、ありかよ。絵画だから制限がないとか、それじゃあなんでもありじゃないか。
絵画だから雑魚だとか言ってすいませんでした!! 無知って恐ろしいなァ!!! ってか、ビギナーズラックかよ!!!!!
「
【転移ノ王】で回避しながら一撃ずつ魔法剣を浴びせていく。
絵である以上耐久性は皆無に等しく、俺の斬撃を受けただけで沈んだ。
……すぐに消えちゃうし、こりゃ食うのは無理そうだな。というか食っても能力を得られない気がする。
「灼熱のファイアレッド」
火属性の絵の具を飛ばしてきたか……ちっ、正体は絵の具だから【法則ト靈氣之神】で制御できん。
「
【転移ノ王】で回避し、飛斬撃を浴びせていく。
「鋼鉄のメタリックシルバー」
ちっ、銀の絵の具で耐久力を上げてきたか。
「
ちっ、絵の具を使わずに直接色を変えてきたか。
視界が塞がれた。だが、【叡慧ト究慧之神】をフル活用すれば視界を封じられても十分に戦える。
構わず飛斬撃を次々と浴びせる。HPの減りは悪いが地道にコツコツと積み上げていけばいつかは倒せるだろう。
と思っていたけど、やっぱり一発ガツンとやるか。
「〈
……ああ、まさかこんな手を打ってくるとは。接近して一気に攻めようとしたが、出直した方が良さそうだな。
「〝数多の星の導きにより、天より数多の流星を降らせ給え! この世界を焦土へと変え給え〟――〝
いきなり仕掛けてきたか。しかし、随分と懐かしいコンボを使ってくるな。
……やはり、情報は伝聞。俺という存在を完全に掌握して複製している訳ではない。所詮は劣化版だ。
「〝世界を裁きし三叉の戟よ、全ての魔法を分解し、魔より身を守るあらゆる盾を砕き、色即是空空即是色の理に従い、新たな世界を作る糧となれ〟――〝三叉分解-Trident-〟」
一度目に敵の発動した魔法を粉砕し、二度目に敵の【魔法無効】を含むあらゆる魔法防御を分解し、三度目に敵を青白い輝き――元素にまで分解する。
三枚の鈍色の魔法陣が出現するこの魔法は最強の【破壊魔法】であると同時に、〝死が確定する十三分-The god of death keeps ridicule of life for 13 minutes-〟と同様に再使用規制時間が存在している……乱発はできないんだよね。
「
複数の円を描いた後に、巨大な円を描き、その中心を突く。
鋼鉄のメタリックシルバーにヒビが入り、内部に斬撃が貫通した。
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NAME:魔法少女カリカチュア
LEVEL:999
HP:0/999999
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……なんとか撃破できたか。画家という概念を打ち破る随分硬い奴だったな……女子に硬いは禁句な気がしないでもないが。
「捕食せよ、【貪食ト銷魂之神】!!」
ご馳走様でした。……さて、戻るか。
◆
異世界生活百四十一日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、魔王領アディシェス
〝
「魔法少女、討伐完了しました」
「…………早過ぎる。まさかこんなに早く戻ってくるとは思わなかった」
呆れ顔のハンスィス……折角の美人(無性)が台無しですよ。
「ああ、結界の件だが草子殿を待っている間に解除しておいた……しかし、残り六つか。他の魔王軍幹部に頑張ってもらわないとな。まあ、負けた俺に言えたことではないが。……というか、本当に勝てるのか? 実は戦っても戦わなくても結果は同じじゃないのか?」
おいおい、魔王軍幹部なんだし本来こんなモブキャラに負けていたらいけないんだぞ?
「ところで、草子殿、ジューリア殿。一つ依頼したいことがあるのだが、いくら積めば受けてくれるのだ?」
ん? 魔王軍幹部から依頼? 冒険者になれなかったから魔族から依頼を受けることになるのか?? 全く意味がわからんぞ???
しかもちゃんと賃金が払われるらしい。俺って大体ボランティアだったからな。賃金貰ったことなんてエリシェラ学園勤めの時しかないぞ?
「依頼の内容によりますね。そもそも受けるかどうかも内容次第ですし、それに見合う金額を頂ければと」
「…………お金よりも食ひ物よし」
「ジューリアさん、後で好きなだけ料理用意してあげるから少し黙っていて」
「……了解なり。ご飯ご飯♪♪」
なんだろうこの娘、超かわいい。
「魔王領アディシェスに探索が終わっていない遺跡があってね。俺も調査したいんだけど、魔王軍幹部だし自由に動けないんだよ。それに、《
遺跡調査か……マルドゥーク関係のものかな?
「分かりました。俺達が持ち帰った情報に見合う代金をハンスィス様にお付けいただくということで」
「なるほど……それはいいな。では、よろしく頼む。場所は――」
しかし、遺跡調査か。異世界に来たのに今まで潜った遺跡や迷宮の数は一桁台……国境を超えた数の方が多い気がする。
それでいいのか、冒険者? ってこの世界じゃ冒険者じゃなかったよ、俺!!
ハンスィスから地図を受け取った俺は早速ジューリアと共に遺跡のあるパデォフェルの森へと出発する。
――さあ、冒険の始まりだ!!
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